日時:2019年9月26日(木)10:30-12:30
会場:カワイ表参道コンサートサロンパウゼ
主催:ピティナ表参道スマイルステーション
代表:三輪昌代
2019年9月26日(木)にカワイ表参道コンサートサロンパウゼにて三輪 昌代先生による、「コンクール課題曲から学ぶ 基礎力と豊かな表現力の育み方」を開催いたしました。
第1部では、ブルグミュラーコンクール。バッハコンクール課題曲より46曲を演奏されながらのレクチャーでした。ロマン期は、ピアノが著しい発展を遂げた為、演奏表現の幅が広がりました。良いテクニックを身に付ける事と豊かなイメージを促し演奏に結び付ける事が大切だとお話しされました。
多角的に聴く事が出来る耳を養う事。美しい音を奏でる為の基本的な手のフォームを作る練習方法。情緒ある音を奏でる為には、それぞれの指を筆のように考えて様々な運指を考え工夫する必要があるということ。表現が多彩で無限に広がるというお話を伺いました。
指導者は常日頃から感性を磨かなくては...と改めて思いました。
バロックの曲を学ぶ上で大切にされていることは楽譜から様々な可能性を感じ「考えさせる」指導をする事。
1.曲のアナリーゼ(拍子。調号。転調。音程)
2.ダイナミクス、アーティキュレーションは幾通りにも考えられる。色々な可能性を試す事が大切。
3.自分が選んだダイナミクスやアーティキュレーションが表現出来る指使いを考える。
4.全ての指使いを楽譜に書き込む。
5.脳の回路を豊かに形成する為に、工夫した練習法を実施する。(ユニゾン練習/拍感練習/リレー練習/片手暗譜練習)
シンプルな曲の中に多くの学びのエッセンスが含まれているという事を考えさせられました。又反進行のエクササイズ練習にはピュイグ=ロジェ「小さくてもじょうずな手」を活用する旨、テキストの紹介もありました。
第2部では村井頌子先生にメヌエットやブーレ。
リゴドンのステップをご伝授いただきました。
実際に踊ってみる事でイメージが膨らみ、演奏表現に活かせると思いました。
第3部は「コンクール参加時に備えて生徒さんや保護者の方とのコミュニケーションスキル」
生徒さんの事を熱心に思う余り、本意が伝わらなくなってしまったり温度差が生じてしまうケースもままならない。指導者、保護者、本人は1つのチームであり良い距離感を保つ事が大切。生徒さんの自己重要感を満たすメッセージスキルとリスニングスキルを磨く事。目標を明確化し伝える事。「相手の反応が自分のコミュニケーション力」というお話には様々な事を気付かされました。
2時間10分という限られた時間ではありましたが、課題曲レクチャー。バロックダンス、コミュニケーションスキルまでの盛りだくさんなお話を伺う事が出来ました。特にコミュニケーションについては、改めて考える必要のあるテーマだと思いました。
三輪昌代先生。ありがとうございました。
文・依田 倫子
三輪 昌代
東京音楽大学ピアノ科卒業。プラハアカデミー修了。尚美コンセルヴァトワールディプロマ修了。ケルン国立音楽大学マスタークラス修了。イエルク・デームスマスタークラス修了。第42回日仏協会フランス音楽コンクール第1位。フランス大使館よりフランス大使賞。併せて毎日放送賞を受賞。第36回ピテイナピアノコンペティショングランミューズA2カテゴリー第1位。第15回長江杯国際音楽コンクール第1位。その他多くのコンクールで上位入賞。第39回家永ピアノオーディション合格。サントリーホール、オペラシティホール、東京芸術劇場、上野文化会館、すみだトリフォニーホール、ザ.フェニックスホールにてコンサート出演。イタリア、ドイツ、ウイーン、プラハにてソロリサイタル、ピアノコンチェルト、室内楽に出演。音楽誌ムジカノーヴァ、ショパン、音楽現代にて好評を博す。
ピアノを藤井一興、青柳いずみ子、秋山徹也、樋口紀美子、酒匂淳、クヴイータ.ビリンスカ、ゲラルド.ファウス、ユージン.インディーチに師事。室内楽をヨゼフ.ハーラ、ダナ.ブラコヴアに師事。声楽を坂本紀夫、鹿野道夫に師事。
現在、「世田谷代田2台ピアノによるレッスン教室」を主宰し、後進育成を行い、コンクール審査やアドバイザーを務め、又日本、海外で演奏活動を行う。
全日本ピアノ指導者協会正会員。
「表参道スマイルステーション」代表。日本フォーレ協会会員。
及川音楽事務所所属ピアニスト。
日本ソルフェージュ研究協議会正会員、日本コミュニケーション能力認定協会コミュニケーション能力1級認定。