2019年9月6日(金)、巣鴨・東音ホールにて西尾 洋先生をお招きし、「eラーニング公開収録セミナー 提携コンクール課題曲から学ぶ!西尾洋先生の読譜・和声講座 -指導者ライセンス筆記試験にも役立つ-」を開催いたしました。
先月末に2019年度秋の指導者ライセンス筆記試験課題曲が発表されましたが、本日はそれらのアナリーゼを中心にお話しを伺うことができました。
最初に、概要からお話しくださり、指導者ライセンスが、『学び続けるピアノ指導者にとって定期試験のような役割』を果たすということや、『楽しみながら勉強し、受験してほしい』という西尾先生の願い、そして、『指導者が楽譜から、より多くのことを発見し、《おもしろさ》を感じるようになれば、それが生徒にも必ず伝わり、もっと楽しいレッスンになる!』ということがわかりました。
指導者ライセンスを通して、音楽の<論理的内容>を学び、それを生徒にどう伝えればいいか、の<指導法>まで学べるものだと知ると、筆記試験までの学習もさらに意欲が高まるように感じました。
各曲のアナリーゼに入る前に、押さえておきたい基本的な楽典の内容を、簡単に説明くださいました。
譜面の中の「変化」「事件」など、【特別な瞬間】に気づくために、音程や音階、調性や和音の種類の知識が非常に大切ということがわかりました。
バロック期のJ.S.バッハやC.Ph.E.バッハの楽曲では、フレーズのつくり方や大切なパッセージの見つけ方、当時の大聖堂のオルガンや聖歌隊の様子などを、古典派のソナチネでは、形式について、音楽がどう発展していくかの解説、バロック期との和声の変化の違い、ロマン派のブルグミュラーでは、和声の役割、性格的小品について(古典派とのちがい)、近・現代のドビュッシーでは、ワーグナー<トリスタンとイゾルデ>のモチーフのお話を通じて、【音楽のおもしろさを真に感じるためには、楽典的知識のほかに作曲家の趣味・趣向やその人生を知る】必要があることを伝えてくださいました。
そして、最後に「理論を学び、最終的にはそれを「演奏」へつなげていくことが大切―直感的に演奏できるよう、脱却していくことが目標です」と締めくくられました。
楽譜の中の「特別」を見つけ、生徒とともに一緒になって感動し、どんな演奏が作曲家が求めた演奏なのか・自分はどんな風に弾きたいのか追及していく・・・筆者もそんなレッスンができたらいいなと感じました。
いずれも、楽譜を読み解くヒントが満載の素晴らしいセミナーでした!
西尾 洋先生、ありがとうございました。
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