2019年4月2日(火)に朝倉ふるさと美術古墳館にて西尾 洋先生をお招きし、「2019年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲アナリーゼセミナー 「深読みで楽しくなるピアノ演奏」」を開催いたしました。
開催日は春休み中でしたので子ども達の参加もありました。その為でしょうか、先生はあらかじめ「はじめてのアナリーゼ体験プリント」という手作りの資料を準備されていました。この資料はA4の用紙8枚にまとめてあり、小学校低学年でも読み易い字の大きさで書かれ、全ての漢字に振り仮名がつけてありました。優しく語りかける様な文章は、私達大人にとって2分もあれば十分目が通す事ができました。それは端的でとても分かりやすい内容でした。更に空白には可愛らしい音符のイラストがあり、参加した子ども達もにこやかな表情をしていました。
始まるまでに先生が五線のボードに基本的な音型を書いておられました。それを皆が真剣な表情で書き写そうとすると、先生が「写真撮っていいですよ!たまに間違って写しているから...!」とジョーク交じりに言われ、皆の笑いを誘い和やかな雰囲気でのスタートでした。
アナリーゼの最初は、B級バロック テレマン作曲「ジーグ」です。この曲は資料に載せてあり詳しく説明がありました。ポイントとなる ①調・和音記号 ②音程はすでに書いてありました。
その次に、③拍のアタマに出てくる主音をさがします。これらの事を先生がピアノで音を出し、響きを確かめながら また、細かいところは五線紙のボードに書いての説明で、少しずつ紐を解いていく感じです。
そして、この①?③が主和音を拠点にどうずれていくか、またはどう変化していくか...少しずれてまた戻ったり(戻った時にほっとする)、別の世界へ行ったり(転調)、最終的には主音に戻る。この変化する時「次はどうなるのかな?」と ワクワクする気持ちが生まれたり、また、響きを夢見ることができると説明がありました。
「楽しい農夫」では主音になる音と気になる存在の音を言われました。この″気になる音″は多くの曲にそれぞれあるようです。「ロンド」では転調の事、音の変化による表現の見せ所、気持の移り変わりについて説明されました。時間のある限り参加者の要望にも応え、たくさんの曲を取り上げて頂きました。
日ごろ何となく感覚で弾いていた事が確かなものになった方も多かったように思いました。心に残るセミナーでした。