2018年12月22日（土）にカワイ表参道コンサートサロンパウゼにて藤田　めぐみ先生をお招きし、「藤田めぐみの ショパン 24エチュード全曲演奏会と「誰でもショパン エチュード」マスタークラス」を開催いたしました。

11：00 ?12：30 第1部　ショパン24のエチュード全曲演奏会
13：30 ?17：00 第2部　公開レッスンと質疑応答

第1部では藤田めぐみがショパン24のエチュードをインターヴァル無しの通しで演奏し、まず24のエチュードの全体像と深い音楽を示した。ご出席93名。

第2部では公募による60分間レッスンと10分間無料ワンポイントレッスンの受講のかたがたへの作品10-4, 25-7, 25-1の公開レッスンを通じてピアノという楽器だからこそつくれる音のふくらみ、感情の揺れ動き、消え入る音など人間の感情の繊細な表現の仕方を具体的な鍵盤へのタッチで披露し、目で見て耳で聴くだけでは分かりにくい音色の作り方を示した。
これにより第1部で表現した音楽を再現する具体的な演奏法を開示した。60分間レッスン受講のかたには細かなニュアンス等のレビューの為にご本人さまへの公開レッスンのDVDが提供される予定。ご出席約70名。

公開レッスンのあと、ご出席の聴講のかたがたとの質疑応答が活発に行われた。

[所感]
上記概要に記載の通り、第1部を聴き、第2部で受講／聴講を通じてその演奏法が開示されるという趣旨は分かり易いもので、実践的で再現性に富んだものであった。また披露された演奏法や解説はショパンだけでなく他の作曲家の曲にも応用出来るとのことで興味深いものであった。受講されたかたから「ピアノを演奏する喜びが増した」とのメッセージが寄せられている。

[ご参加されたかたがたからの質問やメッセージ]
公開レッスン後の聴講されたかたがたとの質疑応答では、暗譜法、室内楽からの影響、楽譜へのこだわり、音を出す時の腕や体幹などの使い方や呼吸、手が小さなピアノ奏者にとっての10-8や25-10の弾き方、演奏にあたって恩師イリナ・ザリツカヤに言われたことは？、大きな音を弾くとき時に心掛けていることは？、等の質問が出され、藤田めぐみ先生より 経験をふまえての回答が、時に演奏を交えて為された。

[ご参加のかたがたからのメッセージ]
〇教えていただいたことを思い出しながら、シューベルトのソナタを勉強しています。確かに、教えていただいたことは、あらゆる繊細で美しい音楽に当てはまることだと実感しています。ピアノを演奏する喜びが増しました。
〇先生の丁寧な歌い方、自然な演奏にとても勉強になりました。レッスンは大変奥が深く、また是非学ばせて頂きたく存じます。大変勉強になりディミヌエンドの仕方、細かい動法、テクニックをゆっくり親切に教えて頂きました。
〇「ショパンはきっとこういう音のイメージで書いたのだろう」とイメージをふくらませていただける演奏で、その音色に大変感動しました。ポイントやテクニックを、本当に細かく具体的に教えていただきました。モニターも見やすく、聴覚はもちろん、視覚でもしっかりと確認ができました。ショパンエチュードに触れる貴重な1日を過ごせましたことを、心より感謝しております。
〇作品10-3と6が印象的でした。技術にかたよることなく音楽性を大切にしているところがとても伝わりました。ダイナミックでありながら、繊細で温かくて、ショパンの偉大さを改めて感じました。エチュード全曲をコンサートで聴いたのは初めてでしたが、細かなところ、その場面にふさわしい音色で弾かれていて、エチュードといえ、そのところを考えて練習したいと思いました。ショパンの時代に戻ったかのような印象でした。
〇素晴らしい演奏と素晴らしい講座を本当にありがとうございました。とても勉強になり、また、とても感動しました。
〇全曲を演奏されて、全体の構成がよくわかりとても有意義な時間をすごさせていただきました。女性でも全曲をあんなに軽いタッチで弾けてしまうなんておどろきました。今回の公開レッスンでフレーズを大切に、音色にこだわることによって大切な音のニュアンスや強さを表現できるのだと気づかされました。
〇午前中のエチュード全曲演奏の中で、ひとつとして叩いたf、ff がなく、どんなに深い音、強い音でも響きとして処理されていたことがとても印象的でした。学びの多い時間でした。有難うございました。
〇先生が沢山おっしゃっていた「小さい音を弾いているのと同じように強い音も 弾くのです」という言葉が印象的でした。
〇めぐみ先生の鋭い耳によるたくさんのアドバイスを聞かせて頂くとだんだん耳が敏感になる気がしました。繊細な表現ができるように良い耳を持ち帰りたいと思います。

[今後の予定]
2019年4月6日（土）に大阪 カワイ梅田「ジュエ」で開催予定。