2017年度にはご登録数が740地区を突破した、ピティナ・ピアノセミナー。主に、支部・ステーションまたは会員が主催・共催・後援している講座を掲載し、セミナーレポートの配布も実施しております。今回は、セミナーがどのように企画されるのか、および、人気の講師についてご紹介いたします。
年々、ご登録いただくセミナー数は増えています。全国すべてのセミナーを網羅しているわけではないのですが、少しずつ割合としては増えてきておりますので、まずはピティナのホームページにてセミナーの開催をチェックいただくのがおすすめです。
毎年、たくさんのセミナーが各地で開催されています。そのセミナーがどのようにして企画されるのかの一例を今回ご紹介します。 ピティナ・ピアノセミナーの主催の多くは、ステップやコンクールを運営している支部・ステーションです。支部やステーションは、楽器店が運営しているところもあれば、ピアノ指導者が近隣のピアノ指導者と協力して運営しているところもあります。また、代表者が研究会もとりまとめていることもあります。楽器店ならでは、ピアノ指導者主体ならではのセミナーが各地で開催されています。
ピティナから、毎年、最新のセミナー情報をお送りしており、それをもとに楽器店のご担当者が企画を考えることがあります。 9月25日(火)に豊田支部にて開催されるミハウ・ソブコヴィアク先生の「日本のショパン、本場のショパン!初めてのショパンで気をつけること、注意したいこと」はこの冊子の情報を見たご担当者からの連絡で開催が実現されました。情報をまとめるにはなかなか大変さもあったので、セミナー担当者としても実現が決まると嬉しいものです。
出版社が新刊を出版した際に、各楽器店にご紹介され、そのテキストに関するセミナーが開催されることもあります。最新のテキストや指導法を学ぶチャンスです。出版社としても思いのこもったテキストが会場にたくさん並ぶ様は感慨深いものがあるでしょう。
2018年4月にヤマハミュージックメディアより、「まいぴあのぷれ」が出版されました。著者は、「かすみミュージックスクール」主宰者であり、ステップ・アドバイザー、ピティナ・ピアノコンペティション審査員、セミナー講師として全国をまわられている石黒加須美先生。その新刊セミナーが「3歳から伸びる感性と知能を育てる最新ピアノ指導法」と題されているセミナーで、直近では、8月23日(木)にカワイ梅田店にて、また9月3日(月)にヤマハミュージックリテイリング岡山店で開催されます。
ピティナの全国の支部・ステーションの運営は、多くが個人のピアノの先生がされていらっしゃいます。ピアノを勉強または指導をする中でご縁を結んだ先生をお招きしてセミナーを開催されることもあります。
「藤井一興ピアノ研究セミナー」は、藤井一興先生に師事されている「表参道スマイルステーション」代表者の三輪昌代先生が企画されたセミナーです。大変お忙しい藤井先生にセミナーを実施いただけるのは本当に数少なく、ここでしかなかなか受講できない貴重なセミナーにもなっています。次回は、11月30日(金)を予定しています。
「ピアニッシモステーション in 心斎橋」の代表である後藤幸子先生が主催されている岡原慎也先生による公開レッスン。30年前に後藤幸子先生の生徒を岡原先生が審査され、その後、その生徒が岡原先生にレッスンを受けることになり、ご縁が始まったそうです。レッスンは驚きの連続で、脱力から始まり、レガート奏法、美しい音を出すにはなど、一番知りたいことを教えてくださったそうです。後藤幸子先生が周りの指導者仲間にレッスンの様子をお話されたところ、是非みんなで聴きたいと、その頃では珍しい指導者主催のセミナー&公開レッスンを始められ、現在に至ります。25年あまり、200回以上開催され、先生方だけでなく生徒達に大人気のセミナーです。次回は9月27日(木)を予定しています。
アドバイザーの交流と楽器店の協力からうまれたセミナーもあります。「目白カンタービレステーション」の林苑子先生はバロックや古楽の演奏研究に熱心で、著書「新版 モーツァルト 演奏法と解釈」の監訳を手掛けた今井顕先生のご紹介を受け、「杉並ステーション」「汐留チェンバロステーション」の共催でセミナーを開催することとなりました。シリーズとしても回を重ね、次回は7回目、10月12日(金)に開催されます。
カワイ福岡で開催される菊地裕介先生の「ピアニスト菊地裕介によるショパンエチュード講座」は、楽器店と懇意にされている会員の先生が近隣で行われた菊地裕介先生の講座を受講され、ぜひもっと話をお伺いしたい!と楽器店に相談されて開催される運びとなりました。次回開催は、9月7日(水)を予定しております。
会員の聞きたいテーマから実現したセミナーもあります。
「グッズ使いや楽しいアプローチで導入期指導に長けておられる今野万実先生が、実際にレッスンしたら子供達にどんな言葉をかけるのか、また子供達がどのように変化するかが知りたい!」という要望をいただき実現したのが、5月13日(日)に広島にて開催された「2018ピティナ・ピアノコンペティション A2・A1・B級・連弾初級課題曲による公開レッスン」(講師:今野万実先生)です。「セミナーでインプットしたことをどうアウトプットしたらいいのかが今野先生のレッスンで分かった気がする!」と大変好評でした。
指導者ライセンスの筆記試験対策も皆さまのお声により開催することとなったセミナーのひとつです。遠方だと聞きに行けない、という声もいただいたので、eラーニングでも公開させていただく予定です。秋の筆記試験対策は、西尾洋先生を講師としてお招きし、9月10日(月)と10月1日(月)を予定しております。
セミナーで回収するアンケートのご要望も参考にしながら、セミナー担当者は企画を考えています。この先生のセミナーが聞きたい、こういった内容のセミナーがあればいいのに、というご要望がございましたら、アンケートにてお知らせいただくか、最寄りの楽器店や支部・ステーションにご相談いただければと思います。また、直接楽器店にお伝えいただくのが難しいようでしたら、お問い合わせフォームにてご希望をお聞かせください。みなさまの力で聴きたいセミナーが実現するかもしれません。
- J.S.バッハ インヴェンション講座
- J.S.バッハ シンフォニア講座
- J.Sバッハ 平均律講座
最近では、バッハをメインに全国をまわられていらっしゃいますが、「四期」をテーマとしたもの、「ショパンエチュード」「ベートーヴェン ソナタ」など多彩なテーマをお持ちです。また、「ブルグミュラー25の練習曲」はeラーニングで公開中です。
開催:2018-03-08 会場:小川楽器柳川店ホール(福岡)
インベンションで、バッハがほんの少しわかった様な気がします。 「子供達の演奏こういうのが多いよね」の弾き方で、私も子供の頃、習って来てます。その頃の私の楽譜の先生からの書き込みはほとんどありません。その時、赤松先生の様に教えて頂いていたら、私のバロック感、バッハはずい分変わっていたと思います。もっと若い時に知り学びたかったです。でも、これから15曲やり直します。
- ピアノパーティー完全マスター講座
- よむ・ひく・かくを1冊で:バスティン・オールインワンの紹介と指導法
バスティンメソードをどのようにして指導するかという講座が多いですが、バスティンをご利用のない方でも、長年の指導によって培われた数々の知識は必聴です。レッスンでのたくさんのヒントを学ぶことができます。
開催:2018-05-18 会場:ヤマハ名古屋ホール(ヤマハミュージック名古屋店8F)(愛知)
藤原先生の素晴らしいアイディアを惜しみなく伝えてくださり、本当に感謝致します。バスティンは使ったことがありませんが、新しく入会してくださる方に使ってみたいと思いました。たくさんのグッズ、子供達の喜ぶ姿が目に浮かびました。
- 音色と表現力で差がつく生徒を育てましょう! ~ブルグミュラー・ソナチネへ無理なく繋がる指導法~
- よむ・ひく・かくを1冊で:バスティン・オールインワンの紹介と指導法
やさしい笑顔と声掛けで、バスティンをメインとしながら、無理なく初級、中級へと生徒を導くそのレッスンは必見で、レッスン見学も常に満席になるほど人気の先生です。導入→初級、初級→中級、中級→上級 へと生徒への導き方にお悩みの方はぜひおすすめです。
開催:2018-04-27 会場:小川楽器柳川店ホール(福岡)
「ステージで花開く演奏が出来るレッスン!」いつも心掛けていることで、私が一番学びたい内容でとても為になりました。先生が演奏される音色の区別が分かりやすく、コンペの曲だけではなく全ての曲の指導に取り入れられるグッズの使い方、対処法、言葉かけを今日のレッスンから取り入れていきたいと思います。
- 基礎力をしっかり付けて中級に繋げるピアノ指導法 ~バスティン・ピアノベーシックス完全マスター講座~
- よむ・ひく・かくを1冊で バスティン・オールインワン の紹介と指導法
「100のレッスンポイント」の著者でもある池川礼子先生。バスティンメソードを軸としながら、「美しい心でなければ美しい音楽は生まれない」をモットーに、やさしく、時に厳しく、生徒を育て上げます。ピアノ指導をする上で大事な心構えについてもたくさんヒントをいただけます。
開催:2018-04-16 会場:小川楽器(株)鳥栖店(佐賀)
講師が沢山引き出しを持っていることで、1人1人に合わせてアプローチをより楽しく効果的に濃い内容に出来ると改めて思いました。バスティンを教室に取り入れて6年ですが、こんなに毎回新しい学びがあること、自分がワクワクすることがいつも感激です。
- ピアノの先生が知っておきたい 導入期の"指づくり" "音づくり" "耳づくり"
- こだわりの音シリーズ アイデア満載!ここまでこだわるブルグミュラー25の練習曲指導法講座
ギロックを取り入れた導入指導で、各地で大変人気の先生です。とにかく笑いが絶えず、楽しい!と受講者の方々が口を揃えて言います。「こどものためのアルバム」「抒情小曲集」をメインとしたセミナーもあります。先生のあたたかいお人柄、そして指導に傾ける情熱に触れてください。
開催:2017-09-16 会場:すみやグッディSBS通り店ホール リピエーノ(静岡)
子どもが家で練習する時、意味のある練習ができる指導ができることが大事であることわかりました。とてもユーモアたっぷり、スタッカートの奏法の違い、指に点を書くなど具体的にわかりやすくお話くださり、すぐにレッスンに役立つと思いました。脳に刺激を与えること、音のこだわりを持つことが大切なことわかりました。
- ブルグミュラー25の練習曲
- リトミック指導
上記のほか、ピティナ・ピアノセミナーへのご登録はまだ少ないですが、新刊「まいぴあの ぷれ」に関する講座もございます。リトミックなど幼児向けの指導について学びたい、という方におすすめです。
開催:2017-10-05 会場:カワイ梅田 コンサートサロン"ジュエ"(大阪)
長期の継続セミナーを受講したのは初めてで、通い切ることが出来るか不安でしたが、いざ始まると一回も聞き逃したくないと思う程毎回深い学びの連続でした。都度の講座が分かりやすく、疑問を抱いたまま帰路に付くことがありませんでした。講座と平行して日々のレッスンで取り入れられるメニューが多くあり、とてもありがたかったです。それも石黒先生の「ピアノにつながる」ことにフォーカスされたリトミックカレッジのおかげで、受講前より小さな生徒のレッスンに少しずつ自信がわいてきました。更に勉強を続けて邁進しいてきたいです。
- 連弾を取り入れた魅力あるレッスンと指導法
「デュオ」といえばこのお二人。課題曲セミナーでもひっぱりだこで、見て聴いて楽しいセミナーです。もちろん、指導の実績も高く、デュオをソロにいかす方法、選曲についてなどデュオの指導でお悩みの方にたくさんのヒントをくださいます。
開催:2017-11-20 会場:日響楽器岐阜店2Fホール(岐阜)
音があちこちから聴こえてきて音の粒により音楽の登場人物たちが3Dのように目の前に現れて来ました。音が生きているようでした。すごい...!と思いました。今日見て聴いた感動を子供たちに伝えていきたいです。
- 美しい音と自然な音楽表現のために
導入期から上級者まで、指導ポイントを即座に見抜き、子どもにもわかりやすい言葉で語り掛け、ときには笑いを誘い、生徒の演奏を鮮やかに変えていくその指導は圧巻です。音楽の知識や経験を惜しみなくお話しくださるので、レッスンが終わった後は、たくさんの引き出しが増えます。
開催:2018-03-15 会場:ヤマハミュージック 大阪なんば店 2Fサロン(大阪)
先生のわかり易いアドバイスでどんどん生徒さんの演奏が素敵になっていくのを感じました。出来るまで何度も言葉かけをかえながら、伝える姿が印象的でした。また、テンポ設定の大切さ、時代に応じた弾き方、それぞれの生徒さんの年齢に合う説明が勉強になりました。
- ソナチネの演奏法、指導法
- ピアニスト菊地裕介によるショパンエチュード講座
- J.S.バッハ 平均律第 I 巻シリーズ
とにかくレパートリーの幅が広く、どんな時代の作品でも素晴らしい演奏と話術でどんどん引き込まれていきます。
開催:2018-03-19 会場:Libra(岡崎市図書館交流プラザ)ホール(愛知)
「試験課題としてのバッハ」のイメージが、今日やっと楽しいと感じました。以前の講座で菊池先生の弾いてくださったバッハの音がとても素晴らしくて、あれこれ(本を読み、譜読みし直し)やってみましたが、今日のようにもっとストーリーとか会話的に考えようと改めて思いました。トリルの入れ方、とても参考になりました。
- 楽譜の向こう側 ~独創的な演奏表現をめざして~
- 和声の練習帖-手の形で和声感を身につける
皆さんが難しいと感じていらっしゃる「和声」について、丁寧に紐解き、わかりやすく解説くださいます。和声は「知識として知る」ことも大事だけれど、作曲者がなぜその場所でその音を使ったのか、そしてそれをどのように演奏で表現するのかということが大事だとお話されます。和声の勉強は苦手、という方でもご参加しやすいセミナーです。
開催:2016-12-08 会場:ピアノハープ社 ピアノギャラリー(熊本)
楽譜の向こう側、に何があるか、楽しみに参りました。自分の持つ少ない楽典の知識を生かせば、表現につながると、目からウロコでした。絶対音感が無いことも、ずっとコンプレックスでしたが、救われる気持ちになれました。表現を助けるヒントを沢山頂き、本を熟読してより生かしてゆきたいと思います。楽しい時間をありがとうございました。