2018年4月6日(金曜日)日響楽器2Fホールにて、黒田亜樹先生をお迎えしてのセミナー「四期・時代別演奏法、指導法」が開催されました。
多くの先生方の熱気が伝わるなか、講座が始まりました。
黒田先生の、分かりやすく切れ味豊かなお話と、爽快感のある演奏が相俟って素敵な時間を過ごすことができました。その中で数か月先のコンペを迎えるにあたり、指導者としての心得をお話しされました。例えば、コンペ課題曲と並行して、通常の曲も練習することが大切だと言われました。コンペ曲のみの練習に偏らず、幅広く楽譜を読んでいくことが、本当の意味で「音楽に強くなる」のだというお話が印象的でした。
具体的にコンペ曲をひいて下さり、その曲の要点や時代別の演奏方法を教えて下さいま
した。
バロック期では、fとpの弾き方に変化を加えるときは指の面積を変える、トリルは色々な指で練習することが大切...などです。古典期では、拍頭を意識する、曲の形式を考える、音価と音の重さは比例する...などです。
ロマン期では、ペダルを踏むことにより演奏が広がりを見せ、その踏み方により音色に幅が生まれる、また手首の回転を加えることでも音色が変化する...などです。近現代期では、同じfでも作曲家によって演奏の仕方が異なる、和音進行にも注目し、音の色合いに結びつける...などです。
これらの内容は、他の時代にも共通する事柄が多くあります。ピアニスト側からの視点での演奏方法のお話もいただき、とても参考になりました。
私たち指導者は、子どもと日々向き合い、その成長を目の当たりにしてレッスンを行っています。子どもの練習過程の中で、その子ひとりひとりに合った練習メニューを提示し、子どもと一緒に曲を作りあげていく事が大切だと思いました。