2018年2月1日オリエント楽器2Fホールにて、奥村真先生のセミナー「基礎的な耳の作り方と頭の使い方」が開催されました。よい耳を持つこと、そのためにはどうすればよいのか、私も含め多くの人が興味のある内容で当日の会場にはたくさんの受講者が来ていました。
冒頭、先生ご自身の幼少期の様子を交えながら耳をつくることの大切さをお話くださり温かい雰囲気でセミナーがスタートしました。 奥村先生がレッスンで目指していることは、自立であるというお話にとても共感しました。自立とは、生徒さん達がいずれ自分の力で練習方法を見出したり、想像力をはたらかせて演奏表現ができるようになることであり、そのための耳の作り方、頭の使い方へとお話が進んでいきました。
耳をつくるアプローチとして、美しいレガートのスケールをつくることが出てきました。単音を歌い、その声を手本に単音を弾き、その単音を手本に2音フレーズ、5音からスケールへと広げていく過程には、自分の出した声や音をお手本にするということが常にあり、「聴く」こと、自分が出したい音を頭の中にイメージすることを自然と意識できるよう促され、自分のレッスンでも取り組んでみたいと思いました。
ついつい指導者側としては指使いの訓練、子どもたちにとっては正確に速く弾くことが目標になってしまいがちなスケール練習ですが、このように丁寧な耳のやりとりをしながら進めていくことが曲を弾くときの助けになるのではと思いました。
耳をつくるもう一つのアプローチとして縦の響きを聴くということも音を交えて実践してくだいました。その 中で音域によってベストなバランスが違うことを先生の出している音を聴くことで実感しました。日頃自分自身があまり意識していなかったことで、よい気づきとなりました。
そのほかにも、右手と比べて意識が向きづらい左手と脳の関わり、インヴェンションを使ったニ声の聴き方などわかりやすく、興味深いお話をたくさんしてくださり、あっという間の2時間でした。奥村先生、本当にありがとうございました。