11月27日、宮崎市ハートリスニングホールにて松田昌先生の「レッスンにすぐに役立つ鍵盤ハーモニカ活用講座」を開催しました。
宮崎での開催は、第1回目というのに、遠方からたくさんの昌先生ファン(勉強熱心な先生方)もご参加下さり、また、昌先生もご登場から、演奏しながら会場に入ってお見えになるという、大変盛り上がった明るく楽しい講座となりました。 昌先生の本「マサさんの大好きな鍵盤ハーモニカ -レッスンやコンサートで役立つレパートリー集-」に沿って、初心者でもわかりやすく、すぐに発表会や演奏に繋げられる、とても具体的で、笑いあり、でも、納得のいく深いご指導を頂きました。
昌先生は、鍵ハモ演奏を魅力的にする上達のポイントとして、「指」「腹」「口」と3つのことを次のように挙げられました。
「指」・・・鍵盤に指を下ろす角度(深さ)によって、吹いた息の抜ける扉(リード)から出る風(息)の量が変化する。その量の変化により、鍵ハモ特有の音の始末が表現できる。
「腹」・・・肺活量は関係なし。好きなことをしゃべったり、歌うように、鍵ハモで息を吸うこと、吐くことに慣れること。一定の音量をキープしたロングトーンの練習は、1番の基礎練習であり、非常に重要。
「口」・・・(1)口の奥(咽頭)を大きく開けて、美輪明宏さんのような滑らかな声の出し方と、(2)下顎を上げて、口を横に広げ気味に鳳啓助さんのような角の付く声の出し方の、2通りをマスターし、曲に合わせて使い分けるテクニック。
これらは、いずれも音を出したら減衰していくのみのピアノの鍵盤では出せない、鍵盤ハーモニカならではの表現です。演奏する曲のイメージに合わせて、構えすぎず湧き出る言葉のように演奏してほしい。とまとめられました。 講座の最後に、昌先生のCDにも入っている新曲「神様の住む島」を、この曲ができるまでのエピソードと共にお聴かせ下さいました。行ったことのないその島の豊かさが、眩しく、羨ましくも切なく、そして、心に響き温まる昌先生の素晴らしい作品、演奏でした。
鍵盤ハーモニカは、両手奏ができるようになれば、見方はまたグンと変わり、他の楽器の伴奏になることができます。そして、何と言ってもどこにでも持っていける。施設訪問であったり、また、海外であっても、どこにでも持って行き、そこに住む人々とのコミュニケーションの術にもなります。神様の住む島の地で、鍵ハモを演奏する昌先生を想像しながら、講座中、先生のおっしゃった「音楽がその時どこにあるか」を意識することは、音楽を演奏、指導していく上で常に感じていたいことだと思いました。
最後になりましたが、この日のために、昌先生とデュオで鍵ハモ演奏下さった宮下むつみ先生、ピアノ伴奏の冨永由紀先生、アンダーザシーのアンサンブルは鉄村美穂先生、甲斐水貴先生、寺山公美先生と私の4人が演奏いたしました。先生方、ありがとうございました。昌先生、第2回も心よりお待ちしています。