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6月28日(水)に東京初台、スタジオリリカにて水野直子先生のバロックセミナー「装飾音に親しもう」が開催されました。
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この日に搬入されたチェンバロは、イタリア生まれのスピネット。スピネットはチェンバロと同じ撥弦機能を持つ楽器で、18世紀のイギリスで大流行したスクエア型の鍵盤楽器だそうです。大きなチェンバロは家庭向きではなかったので、スピネットのような小型のチェンバロに人気があったようです。
内容は後期バロックから古典期にかけてよく使われていた装飾音について。装飾音はバロック期のイメージでしたが、モーツァルトのトルコ行進曲にもそうした装飾音が使われており、その奏法は現在の一般的な弾き方とは異なるのだということを知りました。
いただいたレジュメは20ページあり、10種類以上の装飾音と、それぞれの名前と譜例が書かれていました。言葉での説明とともに実際に弾いていただいたので、わかりやすかったです。
装飾音はその時代によって楽想や趣味が変わること、また国や作曲家によって装飾音の数や記譜方法がたくさんある、ということなどを、水野先生の演奏とともに教えていただきました。
後半はコンペの課題曲に実際に装飾音をつけるというワークをしました。
最初から装飾音がついている楽譜に慣れているので少し難しく感じましたが、レジュメの装飾音や譜例などを参考につけることができました。
装飾音はイタリア語ではフィオリトゥーラ。動詞はフィオリーレ。花が咲く、開花する、活躍するという意味です。
水野先生の「装飾音は花を咲かせるように弾いてくださいね。」という言葉を聞いて、装飾音はただの飾りではなく、曲を美しく活き活きとさせる大切な音だということがわかりました。
水野先生の模範演奏で繊細なチェンバロの音色に聴き入り、実際にチェンバロを弾かせていただいて貴重な体験をすることができました。
今後の指導にも活かしていきたいです。