【セミナー取材レポート】指導者のためのピアノ構造セミナー Part2

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2017/06/07
指導者のための
ピアノ構造セミナー Part2
日程
2017年5月11日(木)、12日(金)開催
講師
棚橋清重氏、小谷津百合子氏、内藤喜八郎氏、市川洋介氏(宮地楽器調律技術者)

2017年5月11日(木)、12日(金)宮地楽器小金井店さくらホールにて、調律技術者4名よる「指導者のためのピアノ構造セミナー Part2」が開催されました。

「指導者のためのピアノ構造セミナー Part1」の実施レポートはこちら

<講座内容>
  • ピアノの歴史 現代ピアノへの進化過程
  • 各国におけるピアノ調律師事情
  • 音律と楽器 音律(階)の歩み(歴史)について
  • ピアノのしくみ それぞれのアッセンブリー(部品)の役割
  • レギュレーション(タッチ調整)による響きの違い
  • ペダル構造の詳細 調整方法からの考察
  • アコースティックピアノと電子ピアノの違い

普段指導者の先生方や生徒さんのピアノを調律されている技術者の方によるセミナー。演奏法や指導法の講座とはまた一味違った魅力がありました。

音律の響きの違いを体験しよう!

電子ピアノを用いて、ピタゴラス音律、中全音律、平均律それぞれの和音の響きを聴き比べ。
現代のピアノは、十二等分平均律で調律されています。すべての和音(調)の演奏が可能ですが、それぞれの調に合わせて調律されていた前時代の響きに比べると少々響きがぶつかり合っている・・・?
十二平均律に対しては批判も多く、日本を代表するピアニスト・内田光子さんなど、現代でも古典調律を好む演奏家は少なくないのだそうです。

グランドピアノとアップライトピアノの仕組みを学ぼう!

会場にはグランドピアノとアップライトピアノ、最新のクラヴィノーヴァが1台ずつ。
アップライトピアノは上前パネルと下前パネルが外された状態です。

実際の楽器やグランドピアノとアップライトピアノそれぞれのアクションモデルを使いながら各構造部分の役目を解説し、調整の仕方によって音が変わる様子などを実演。ハンマーに使われているフェルトや弦に触れることもできました。

グランドピアノとアップライトピアノの構造の違いを学ぶにつれ、アップライトピアノの「限界」が見えてくるのも事実。ピアノがその魅力を最も発揮できる形こそがグランドピアノの造形なのだということを感じさせられました。また、電子ピアノによる練習で陥りやすい問題点についても、技術者の方ならではの視点でお話いただきました。

当日の受講レポートより抜粋
  • 演奏の時に感覚でしかわかっていなかった響きの違いがどのようなところから生み出されるかの理解が深まったので、理想の響きを作るためにどのようなタッチで弾くか、又は調律をお願いする際に依頼したいポイントもつかめるように思えてきました。
  • ピアノのすべてを理解することはできませんが、知らないで弾いていること、教えることは危険?誠実でないと感じました。
  • 生徒、保護者にアコースティックの良さをより正確に伝えられるように私自身の知識を増やしたいと思いました。
  • 電子ピアノのお話は、生徒さんの保護者会にてお話したいと思っております。
  • たくさんの部品からなり、職人の技術が集結し、調律師さんが全魂を傾けて調律・調整してくださるピアノをもっともっと大切に使わなくては、と痛感しました。

今後開催の講座ご案内
6月

◆ 6月11日(日)14:00-15:30/6月17日(土)15:00-16:30

ピアノのしくみを知り、その魅力や弾く歓びを感じるきっかけに。参加料無料、定員は各日20名です。 是非お子様や生徒様と一緒にご来場下さい。

9月
指導者のためのピアノ構造セミナー Part3

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