1月24日(火)新宿初台スタジオリリカにて、コレペティトール香川紀恵先生のセミナー「ピアノの先生のための伴奏講座-伴奏から共演へ-」が開催されました。今回は、伴奏合わせのコツを知ることで、少ない準備期間でも効率的に準備を行う手順や、伴奏合わせのポイントについての講座でした。
セミナーでは、まず、言葉と音楽をじっくり観察し、作曲家の意図を明確にくみ取る読譜の重要性について述べられました。 しかしその一方で、私たちが知らなければならない楽譜に記述されていない音楽習慣もあるということ、また日本で間違った解釈を行いがちな音楽用語(rit.とritardandoの違いなど)の説明などがなされました。
参考曲として「私は心に感じる」「ある晴れた日に」「女も15になれば」「アヴェ・マリア」「糸を紡ぐグレートヒェン」を、香川先生の詳しい説明と共に実演された際には、受講者の方々が熱心に耳を傾けられていました。実演では「オーケストラをピアノでどのように表現していくか」「ピアノのタッチについて」など、技術的な問題にも触れられており、受講者の方々による質問も数多く、2時間があっという間でした。
コレペティトールとは、ソリストを音楽的にサポートし、またある時には主導権を握る特殊な、そして不可欠な存在ですが、それは全て「コンサートにお越し下さるお客様のためである」という香川先生の言葉に、自分自身がハッとさせられました。あらゆる場面を想定して(音楽以外のこと・・・例えばソリストとのコミュニケーション、会場のアクシデントなど)「お客様のため」=「音楽のため」に真心を込めて舞台に立たれておられる香川先生の魅力に、改めて気づかされた講座となりました。
香川先生、本当にどうもありがとうございました。