【実施レポ】21世紀へのチェルニー 第3回 チェルニーで身につくテクニックとは?(山本美芽先生)

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2016/09/27
21世紀へのチェルニー 第3回 チェルニーで身につくテクニックとは?
文・橋本恵美子(ピアノ講師)

日程:9月16日
会場:スタジオ フィオリーレ

2016年9月16日(木)スタジオ フィオリーレにて山本美芽先生をお招きし、「21世紀へのチェルニー 第3回 チェルニーで身につくテクニックとは?」という題で講座が開催されました。

まさに、私が求めていたセミナーでした。
音楽ライター山本美芽先生による『21世紀へのチェルニー』セミナー第三回「チェルニーでつく力・つかない力」に参加しました。初回より参加させていただいてますが、このセミナーの魅力のひとつは、参加者の先生方が弾き合いをしながら教本「チェルニー」について学ぶという事。また、美芽先生の深い探求心、洞察力、斬新な視点による豊富な教材研究内容を直にお聞きできるまたとない機会でもあります。

初回参加の折は、立場を同じくする先生方の前で弾くことに緊張感もありましたが、自然体で話しかけてくださり和やかな雰囲気をつくってくださる美芽先生、細やかな心遣いをしてくださる事務局の中塚先生、そして温かく接してくださる先生方に囲まれ、大変楽しい学びの時となりました。

今回の弾き合いの課題は『チェルニー初歩者のためのレクリエーション』。オペラやドイツ、イギリスの歌等をアレンジしたものにタイトル付で美しいメロディが満載の、ロマン派的要素もある曲集です。全音と音楽之友社の二社の楽譜を比較しながらの発見と考察の時間もまた有意義なものであり、チェルニーが持つ機能について、それぞれの特徴を美芽先生のご著書【21世紀へのチェルニー】を参照しながら学びました。

セミナー後のランチ会は、「もうひとつの学びの場」であります。話題の中心はこの時期多い合唱伴奏について、でした。練習期間が限られる合唱伴奏に挑めるだけの力をつけておく為には、やはり日頃の訓練が必要であり、チェルニーでテクニックを養うこともその重要な要素であると思います。著書のサブタイトル「訓練と楽しさと」にあるように、そのバランスを上手に保ちながら身につけていける事が理想であり、生徒さん達にその辺りをどう吟味し観察し指導していくかが私達指導者の役割だと思います。

名古屋セミナーで、毎回活発な意見交換ができるのは、聡明で観察力に優れた美芽先生がそういった雰囲気づくりをしてくださる事、参加の先生方が気さくで勉強熱心な方が多いからではないかと思います。子どもたちに永く関わるピアノ指導者。その必要な要素に協調性、探求心、観察力も含まれると思いますが、それらを持ち合わせまた十分に発揮される素晴らしい先生方の中で共に学べる事が私にとっての最大の魅力です。第4回もぜひ参加したいと思っています。

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山本美芽

や まもと・みめ◎音楽ライター、ピアノ教本研究家。東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。中学校(音楽)、養護学校にて教諭と勤務したのち、執筆活動をはじめる。 ピアノ指導者としても大学在学中から現在までレッスンを行う。「ムジカノーヴァ」「ジャズジャパン」等の音楽専門誌にて、国内外の一流アーティストに多数取材。 「もっと知りたいピアノ教本」(大半を執筆、音楽之友社)「21世紀へのチェルニー」(単著、ショパン)などを執筆、ピアノ教本についての研究をライフワークとして続け、 多くのピアノ教本の著者・訳者に直接取材した経験を持つ。中村菊子、呉暁、樹原涼子などピアノ教本の著者・訳者からは厚い信頼を得ている。2006年―2010年の間、 夫の転勤のためアメリカ・カリフォルニア州在住。州立シエラカレッジにて単位取得。アメリカのピアノ教本事情を研究。帰国後、2013年より著書「自分の音、聴いてる?」 (春秋社)をテーマにしたセミナー、また音楽指導者のためのライティングセミナーを全国各地で行う。音楽教育学の知識と、音楽ライターとしてプロの音楽家・教育者との膨大なインタビュー経験、 自分自身のピアノ指導・子育て経験、ピアノ学習、全国のピアノ指導者との密接な交流から得た現場発の問題点など、理論と実践を融合しながらピアノ教育が進むべき道を先導している。ピアノを多喜靖美氏に師事。 室内楽を多喜靖美、松本裕子の両氏に師事。2015年より「ピアノ教本、かしこく選ぼう」セミナーを全国で行う。あわせて指導者向けの「ライティングセミナー」、 参加者が実際に弾き合いながら学ぶ「ひきあいセミナー」なども開催中。オフィシャルサイト http://mimeyama.jimdo.com/
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橋本恵美子(ピアノ講師)

名古屋短期大学英語科卒業後、百貨店、海外旅行関連会社勤務を経て自宅にてピアノ教室を始め18年目。家族の看病・介護経験を機に10年前より地域の福祉施設へ生徒や仲間と共にミュージック・ベルを取り入れた音楽ボランティア活動を行う(日本音楽療法学会会員)。
現在、カワイ音楽教育研究会他にて音楽指導について学ぶ。教室のモットーは子ども達の学校外での社会経験を大切にすべく『音楽で世代間交流を』。


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