【実施レポ】ベートーヴェンが聴きたかったピアノ ―フォルテピアノとべヒシュタインを使って―(菊地裕介先生)

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2016/07/20
ベートーヴェンが聴きたかったピアノ ―フォルテピアノとべヒシュタインを使って―
菊地 裕介 ナビゲーター:飯野 明日香
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2016年7月9日に汐留ベヒシュタイン・サロンにて菊地 裕介先生による「ベートーヴェンが聴きたかったピアノ ―フォルテピアノとべヒシュタインを使って―」が開催されました。
フォルテピアノとベヒシュタインピアノの2台の楽器を使い、ベートーヴェンが作曲した際にイメージした名曲達の音色の追求を行うことをテーマとし、講師には楽器・楽譜への造詣が深く、完成度の高い演奏で定評のある菊地先生が務め、雨の中、多くの方が参加されました。

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会場にはベヒシュタインのフルコンサートグランドモデルとフォルテピアノ"デュルケン"が設置され、先生が2台を行き来しながら、ベートーヴェンの作品や演奏法について、それぞれの楽器の良いところを最大限に生かして演奏するにはどうすればよいか、ご教授くださいました。

菊地先生はフォルテピアノを演奏されてみて、モダンピアノよりも鍵盤のタッチ感がダイレクトな為、特に語りかける様な曲や繊細な表現にはフォルテピアノは適していると話し、また、モダンピアノの鍵盤の深さを1とするとフォルテピアノは0.3位しかないので自分がしたい表現をするのは難しいが、逆に考えればどんな音を奏でようかと考えて、その結果、表現の可能性が大きくなると話されました。
今回のモダンピアノの一例であるベヒシュタインについては「音のニュアンスコントロールや音を混ぜる表現をするには非常に適している」や「フォルテピアノで表現したいことを一番反映しやすい」と2つの楽器の特性を的確に話され、会場の皆さんも納得されていました。

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ベートーヴェンは有望な作曲家・演奏家であったことから、多くの製作者から楽器を贈呈され、常に新しいものを所持していたそうですが、彼がソナタを作曲していた時期は音域や音のコントロール性など、ピアノが目まぐるしい進化を遂げています。
そしてベートーヴェンもソナタ1曲1曲がそれに合わせたように、常に革新的な曲を生み出しています。
つまりお互いが常に高め合いながら音楽の歴史に貢献していたと言えるのではないのでしょうか。

音楽を演奏するには、作品だけではなく、楽器についての理解も深めなくてはならないことを改めて感じたセミナーでした。

Rep:ピティナ汐留イタリア街ステーション 泰田愛積(ユーロピアノ株式会社)

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