2月20日・21日の週末、昭和音楽大学南校舎C102教室で今年も会員研修交流会「アンサンブルパーク」が開催されました。例年通り、土曜日は、ピアノにこだわらない領域を扱う三つのセミナー、そして日曜日は受講者同志のディスカッションを中心に展開します。
20日の第一講座は、ジェラール・プーレ先生。弦とピアノの幸福なアンサンブルが奏でられるために、ヴァイオリニストはピアニストに何を求めるのか、優しくしかし力強く語りかけて下さいます。途中、4名の受講者がプーレ先生と共演をし、その音に会場中が酔いしれました。
第二講座は、古川玄一郎先生。モノの数だけ種類があると言っていい打楽器には、それぞれの音色にまた無限の可能性があります。目から鱗が落ちるようなお話の数々に現代音楽の世界が接続され、ピアノ・レッスンの日々の方法についても改めて自分の心に問いを投げたくなる、フレッシュな時間でした。
第三講座は、夏秋文彦先生。鍵盤ハーモニカによる即興音楽の、その驚くべきイマジネーション、創造性の高さには目を見張らされます。ピアノを弾いていれば誰でも導入しやすいこの小さな楽器の魅力が、日本中のレッスン室に広がるとよいなと思いました。
21日は、ピティナについての説明会に続き、別会場(ユリホール)で開催中のステップ新百合ヶ丘冬季地区を見学しつつ、アドバイザーと同じような形で参加者の演奏についてコメント等を書き入れる「ティーチングカルテ」を受講者全員で作成。お弁当を食べながら懇親を深めたのちに、午後に少人数のグループに分かれてディスカッションを行いました。
ピアノの指導者同士、なかなか日常的には周りの仲間と悩みや課題をシェアする場所はないものです。しかしこの日は、住んでいる地域も飛び越えて、自分たちは「指導者」としても学び続けるんだ、という志が受講者を一致団結させました。
アンサンブルパークの特徴として、江口文子先生を始めピティナの理事、20名前後のステーション代表者、審査員やアドバイザー経験も豊かなベテランの会員の中に、「新入会員」として入会間もない会員が混じっての会となることが挙げられます。この「公園」においては誰もが自由につながりうるし、また、ピティナの組織自体が、会員=ステーション=支部=本部という線を通じて、既にそのようになっている、ということを感じていただく場でもあります。
来年の開催にも、どうぞご期待ください。