2015年10月26日(月)ハーモニーホールにて稲垣千賀子先生をお招きし、「小さな子供のための音色の使い分け」という題で講座が開催されました。
「小さな子供ほど、こちらの言葉がけひとつで音色が驚くほど変化する。そのためには、私たちのボキャブラリーを豊富にしてていかなければいけない。また、苦手な生徒ほど先生が成長するチャンス」と冒頭から講師の心構えを話して下さいました。先生の実際のレッスンでの経験や、ピアニスト関本昌平さんの小さい頃のレッスンでの話題も盛り込まれ、軽快なトークに皆が惹きこまれていきました。
その中で、生徒の実力を見極めるのに使用する教材が、ハノンやツェルニーだと紹介。生徒一人一人違うから、その子に合ったカリキュラムをその場でたてますが、変わらず使用するのがこの教材だと。そして、私たちに手でイソギンチャクの動きを表現させ、手の内側の筋肉の大切さを認識。そうすることでトンネルができ、黒鍵を弾くことも可能になると順序だてて説明。ただ、小さい子に無理な演奏をさせないとういう視点からも、改めてハノンが適している。そして演奏時の音の性質を子供に分かりやすい言葉で表現してあげる事によって、生徒自信1音1音を聞くことが出来るようになる。だから、耳を育てる最高の教材だとおっしゃられてました。
大きい子に対しては、「狙って、捕まえて、抜く」という演奏行程で、最初は1の指の支えが出来ていない子が多いと指摘されてました。
後半は、頂いた資料「魔法のことばがけ集」のお話です。
「ドカンとしないで底の方でねばっこくハイチュウのように...」など、A3用紙一面に、いろいろな魅力ある言葉が載っています。ここで言われてたのが、日本語は少しの違いをたくさんの擬音で捕らえると。
これらの魔法の言葉をどの場面で使われたかとエピソードを聞くうち、自分の生徒の顔をひとりひとり思い浮かべレッスンで使用するとどう変化するかなと楽しくなりました。
前日のステップアドバイザーを努めてからの講座でしたが、疲れも見せず、終始、小さい子のレッスンが大好き!という、稲垣先生の思いが伝わる素敵な2時間でした。少しでも先生に近づけるよう、ボキャブラリーを増やし、生徒に向き合っていきたいです。