第2弾3回目は、「より素敵なアレンジと演奏のために」にと題して、小原孝先生にレクチャー&演奏していただきました。
今年デビュー25周年を迎え、ジャンルを問わず自由に音楽を操るマルチピアニストとして大活躍の小原先生ですが、デビュー当時は「アレンジをしてはいけない」「ピアニストはしゃべるべきではない」と言われたこともあったそうです。今でこそトークコンサートは当たり前の時代ですが、時間をかけて伝わっていくことがあると実感していることと、この「アレンジワークショップ」も、新しい試みとして始まったばかりですが、ぜひどんどん広げていって欲しい、とのお話が冒頭ありました。
続いて「アレンジ」を始める際の心構えについて一言レクチャーしていただきました。
- "アレンジ"と構えずに、まずは一箇所譜面を変えて弾くことを、怖れずに試してみる。失敗を怖れず、気楽に取り組んでみましょう。
- 市販の楽譜のアレンジにも良し悪しがある。おかしいと思う箇所を、自分なりの表現に変えてみる。
"楽譜どおりに弾かなくてはいけない""楽譜を変えてはいけない"という固定観念を持たず、頭を柔らかくして、何でもありの発想でトライしてみましょう。 - アレンジの良し悪しは、演奏にも半分かかっている。どういう風に演奏するか、も大事な要素。せっかく作ったものは、よい形で伝えましょう。
続いて、アレンジと演奏法について、公開アドバイスレッスンをしていただきました。
「愛の賛歌」ピアノソロ
アドバイス前半のお題は、「愛の賛歌」。
小原先生ご自身も、この曲をたくさん共演されたそうで(岩崎宏美さん、石井好子さん、菅原洋一さん、美川憲一さんetc・・)、いろいろなエピソードに、受講者は興味津々で聞き入りました。
- 小原先生のアレンジを少し変えて演奏・・・門田裕美さん
- 市販のアレンジを少し変えて演奏・・・釘嶋千秋さん
- 自分で一からアレンジ、演奏・・・内田悦子さん
その後の3名の公開レッスンは、楽譜に書かれていない、音符のウラを読む方法、歌詞のあるものの演奏法(ピアノソロでも弾き映えするコツ)、状況に合わせた演出法等々、いずれも具体的なアドバイスが満載!同じ演奏者とは思えないほどの変わりように、受講者一同驚くばかりでした。
また、小原先生が即興で2台ピアノで伴奏を付けると、華やかに音が広がり、まるで大ホールでのコンサートのよう!レッスン受講者も大満足の、贅沢な時間となりました。
「逢えてよかったね」連弾・歌
アレンジ、演奏:大場奈々美さん(連弾:浅野薫里さん)
続いての弾き語りアレンジ課題では、小原先生ご自身の作品 「逢えてよかったね」を、中学時代からの仲良しデュオのお二方が、「連弾&歌」で披露してくださいました。小原先生より、連弾の音域の工夫などアドバイスをいただき、最後には会場の皆さんでこの曲を歌い、会場は和やかな一体感に包まれました。
そして、いよいよお待ちかねのミニコサート!小原先生の新刊「ピアノ・アイランド」より、子どもたちに、ピアノの響きや奏法に興味を持たせるアイデアをたくさんご紹介いただきました。また、「アルハンブラの想い出」など、元はギター曲の演奏法についてのレクチャーもあり、その多彩な音色に会場中すっかり魅了され、幸せな時間を共有いたしました。
ラストには、アンケートタイム用に、素敵なクリスマスメドレーを演奏してくださいましたが、特にブルクミュラーの「アヴェマリア」の演奏に涙された方も多く、静かな感動と共に、"演奏で想いを伝える"ことの大切さを再認識したセミナーとなりました。
その後のサイン会も、もちろん長蛇の列。
1/8の懇親会も今から楽しみですね。(受講者の飛び入り演奏も大歓迎です!)
(Rep.コーディネーター 佐土原知子)
まるで手品のように曲が変化していくので面白かったです。
最後にステキな演奏をありがとうございました。力強さの中に美しさも沢山ちりばめられていてうっとり聴かせていただきました。これからも先生、お体に気をつけて美しくステキな曲を沢山書いて下さいね!
クラシック畑の者にとってポピュラーは未知の世界。まして自分でアレンジをするといのはハードルが高くて手が出せないと思っていました。でも"アレンジされた楽譜をもとに少しだけ変えてみる"なら私にもできそう!と思いました。それからYoutubeなどを研究し、気に入ったものを取り入れる、というのもできそうです。
自分の音楽を創るために視野を広げる必要がありますね。
コード奏法を学び"好きなように自分の言葉で弾く"ということが、ここ数年なんとなく分かってきました。
最近ではポピュラーアレンジの講座も開かれるようになり、このアレンジワークショップシリーズでは「自分の弾きたかった音楽の世界はこうなんだ!」と強く感じることができました。
今日の小原先生の講座の内容も腑に落ちることが沢山ありました。
小原先生のようにもっともっと自由に音楽で語ることができるよう、これからも学んで行きたいと思います。
先生の演奏は音が立体的に聴こえました。