10月5日北九州市立大手町練習場 中練習室にて、岡本愛子先生による「実りのあるレッスンを求めて」が午前、午後と盛りだくさんの内容で、開催されました。
今回のセミナーはまず、様々なコンクールでも課題曲に取り上げられているプーランクのピノソロ曲が題材でした。プーランクのピアノソロ曲全曲を演奏されCDを出されている岡本愛子先生の演奏と解説で、まるでトークコンサートの様な第一講座、そして午後は ピ アノ力音楽力の原点とも 言える「最初の一歩のお話」で、今日から実行できる事ばかりでした。先生の本当に誠実な謙虚な音楽とピアノ演奏に対する姿勢に感動いたしました。<レポ ート 山之内 京子>
■午前■【第1回講座】おしゃれに弾こう プーランク
中級の方も弾ける 曲のご紹介で、きちんと演奏会で弾いてくださる様に演奏も仕上げてくださっていました。
お話はかって 「ラジオ・フランスでの音楽学者クロード・ロスタンとの対談」でプーランク自身が語っている作品の興味深いエピソードも交えながらのお話でした。この放送は 一冊の本にまとめられて出版されていたとの事。その著作権が切れて岡本先生ご自身が 原本のフランス語から日本語に訳して芸大の同窓会の埼玉支部で講演なさったとのことです。それを短縮してのご紹介でした。
美しい発音で楽譜のフランス語の楽語の説明もしていただきながらプーランクの演奏をしていただいたので、少し深く作品を理解できたように思います。
さすが、フランスで研鑽を重ねられフランスのエスプリが感じられ「ナゼルの夜」のフランス語の題名の意味もわかりやすかったです。プーランクはピアノ曲より歌曲・管弦の曲から出発していたとの事でした。
6人組のオーリック、デュレ、オネゲル、ミヨー、タイユフェールともずっと一緒に活動したわけではなく、入れ替わりの時期があったことや1925年にミヨーとイタリア旅行した後にナポリを作曲したり、歌手のピエール・ベルナックに再会して歌曲やオペラの作曲が増えたりプーランクの生い立ちの話もおもしろかったです。素敵な演奏を聴けて楽しい一時が過ごせました。
■午後■【第2回講座】酒田音感システム教本を使用した絶対音感レッスンについて
◆岡本愛子先生が受けられた酒田音感システム
◆遊びの中でドイツ音名で楽譜を理解
◆聴音 言葉で答える ピアノを弾く
◆五線紙に書く 一回に一つの項目のみ
◆遊びを通して体で覚える 三和音の聴音 カデンツ指導まで
◆いたずら弾きから気持ちを音で表現
◆0歳から聞かせる(眠りの音楽・目覚めの音楽・遊びの音楽)
◆あんよが上手の教育?ほめながら育てる
◆教材は同じ程度の曲をたくさん与える
音楽が好きになると作曲するので落書き帳やピアノで表現するなどいろいろ紹介していただき先生が子どものころ作曲した曲を聴かせていただきました。
岡本先生も素晴らしいですが、子どものペースに合わせて根気よくレッスンできる環境をつくられたお母様も、酒田先生も素晴らしいです。私もできるところからレッスンに取り入れてプーランクの曲も弾いてみたいなぁと思いました。素敵な演奏と講演ありがとうございました。