5月1日(金)、熊本ピアノハープ社にて赤松林太郎先生の「「四期」の知っておくべきこと~作曲家とその時代の音楽的語法~」第2回目「バロック」が行われました。
講座には九州各地遠くは香川県からもおいで下さって、大人数の熱気あふれる会場で赤松先生も汗をかきかき、休む間もなくお話をされました。会場も一言も聞き漏らすまいと真剣そのもの、時々赤松先生の演奏に拍手というあっという間の2時間でした。
講座ではバロック期を前期、中期、後期と分けられ、それ以前のルネサンス期からの歴史的・文化的な背景から話され、国や時代、楽器の変遷や文化を知るとことがいかに演奏に大切なことなのかということを話されました。
ルネサンス(装飾はなくシンプル)の時代から、バロック(装飾を趣味よく)へ。
そして、曲がどの国のどの時代のものかということを知っておかなくてはならないとして、国別に
●イタリアはオペラ(うたう)
ベネチアとナポリは江戸と上方と例えられ、スカルラッティもチマローザもナポリの人。オペラは歌(言葉)が大切。
●フランスは舞曲(おどる)
太陽王のルイ14世はリュリに舞曲を集めさせ書き残させたので、たくさん残っている。
たくさんの飾り(装飾)を付けた、優雅なゆったりとしたものとなる。
舞曲は踊るものと、踊らないもの(形式が残るのみ)へと。
●ドイツはオルガン(ポリフォニー)
どう音色を作るかが大切、多声的な音楽。
と簡潔にまとめて話されたので、とても頭が整理されました。
まず、「メヌエット」のお話。
最初の音が三和音か単和音かでテンポが違ってくる。
比較するために、2曲(BWV114・BWV115)弾かれる。
舞曲には踊るものと踊らないものがある。大切なのは様式。
アウフタクトはおどる曲。
「フーガ」では対位法のお話。
2声、3声の曲でも4声ととらえ、ここはアルト、ここからはソプラノ、ここはテノールなどととらえて音色を考え変えていく。ソプラノや、テノールの音色が欲しいときは、pであっても発音のしっかりした音で弾かなくてはならない。(雰囲気が大切)
他にもコンペの曲などを中心に取り上げられましたが、バロック期の音楽だからということで共通することとして「拍感」「調性」「トリル」「イネガル」「ロンド形式」(バロック期の)を曲の中で、作曲家にちなんだお話、実際に先生が生徒に練習させるときの比喩等「トリル」はパウダーのように「音色」はベースと和音で。
という言葉が先生の演奏と相まって納得だなあと思わざるを得ませんでした。