2015年4月1日(水)2015年度コンペ課題曲セミナーが行われました。小雨の降る中、遠方から来られた方もいらっしゃり、100名程の受講者が集まりました。関本昌平先生の演奏に耳を傾け、お話に頷きながらあっという間に時間が過ぎました
先生は課題曲をわかりやすくアナリーゼしてくださり、音楽用語に詳しくないご父兄にも納得できるようにかみくだきながら比較演奏を加えて進められました。なぜそうなるのか和声進行の響きを用いて示してくださり、ナルホドとうなずく姿があちこちで見うけられました。また、音色を作る際の指の使い方では、付け根から動かしてしっかり独立させて音を聞き取るように。弱い指は普段の生活の中でもトレーニングできるので、ぜひ取り組んでみてとアドヴァイスくださいました。
それから楽譜をしっかりと読むことの大切さも取り上げられました。和声の進行を感じとり臨時記号の意図を見逃さない。臨時記号によってそれまでの調の性格がじわりと変化していく。作曲者の意図を理解するために真摯に楽譜と向き合わなければと気を引き締めなおしました。
[エリーゼのために]の課題では音のメカニズムを取り上げ、増幅する音量をいかに処理するのか。左手連打音の部分でペダルの使用例を聴かせて下さいました。音の波形を積み重ねるのでなく揃え続けることで、響きが統一し静けさの中に緊張感が増し、とても魅力的な演奏となり感動しました。早速帰って試してみたのですが、難しい。できそうな気がしたのですが、必死になり呼吸を忘れてしまいました。関本先生のマジックにかかっていたのでしょうか。
近現代課題では級が上がるとともにリズムが細かく複雑になってきます。それで先生はリズムを正確にする為、細かい音符を全て手拍子してみるようにと提案されました。手拍子の仕方でリズムのノリが生まれてカッコ良くなったり、安定感が出てきました。[テンポ通りにリズム打ち]これもなかなか大変。見るとやるとでは大違いでした。
そのほかジェスチャーを交えてのイメージ作り。本当に目の前に雲が漂っているような言葉掛けに、天井が青空のように見えてきて遠くをゆったりと進んでいく雲を想像していました。曲の中に引き込まれる演奏はこのように作られていくのだなと思いました。
高知では2度目の講座でしたので、高知のファンがこの日を楽しみにしていました。そして先生の気さくなお人柄と素晴らしい音色、的確なアドヴァイスにまたまた魅了されました。次もまた是非ともいらして頂きたいとスタッフ一同心より願っております。関本先生ありがとうございました。