【実施レポ】音楽総合力UPワークショップ2015 第1回 久元祐子先生

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2015/04/22
  • 第1回
  • 2015年4月15日(水)
  • 久元 祐子先生
  • 「原典版」で弾くモーツァルト
  • 坂かず先生

今年度最初のワークショップ。講師に久元祐子先生を迎え「原典版で弾くモーツァルト」が開催されました。久元先生の上品で優雅な雰囲気、演奏も交えながらのゴージャスな2時間に会場の先生方はうっとりと聞き入っていました。

講座はモーツァルト愛好家は数多くいるのに特に試験などであまり演奏されないのはなぜか?それは時代背景や楽器などのことを知らずに演奏するのは「美人コンテストにすっぴんで出場するようなもの」という笑いを交えたお話で始まりました。

当時の一番速い乗り物は馬車であり、夜の灯りはロウソクやオイルランプ。生活スタイルもスピード感も私達と全く違う時代を生きていたモーツァルト。久元先生はその頃のピアノフォルテを「5オクターブの宇宙」と表現され、古典調律された楽器は調による色の違いが大きく、平均律で調律された今のピアノでモーツァルトを弾くときは特に意識をして調の色を伝えましょうとおっしゃり会場も大きくうなずいていました。

そんなことを踏まえて、モーツァルトの心を「原典版」から読むことへとお話は続きます。古典の作品で最も大切なことはアーティキュレーション。本人のつけたものは歌として息使いとしてとても大切に。形式を表現するには曲の中のヒーロー(第一主題)、ヒロイン(第二主題)、通行人〈経過部)などはっきり見抜き、どのようなキャラクターにするか決めることが大切とピアノで実際に演奏しながら説明してくださいました。
形式美の世界を表現するときは森を見るように。葉脈も大切だがディテールから入るとスケールの小さな音楽となってしまうので、「森、木、枝、葉、葉脈」と曲全体を見渡し楽譜の中からモーツァルトの心を読み、自分なりの解釈を楽譜の向こうから引き出しましょうとおっしゃる久元先生のお話そのものが音楽のようだと参加した先生のお一人がおっしゃていたことが印象的でした。

受講者インタビュー
松田映子先生(正会員)

久元先生の大ファンなので、今回とても楽しみにまいりました。ピアノを習う方にぜひ学習して欲しいモーツァルトをとても分かりやすく解説して下さり楽しかったです。久元先生の演奏が素晴らしくもっともっとお聞きしたかったです。ぜひシリーズでセミナーを開いていただきたいです。
今回でワークショップも5年目の参加となります。ワークショップやセミナーで得た内容は自分の中で咀嚼したものを日々のレッスンの中で「即使う!」ということを心がけようと思っています。

田村美矢子先生(正会員)

美しい音楽を聞いて心が豊かになりました。モーツァルトの原典版から生き生きした音楽を作る方法をたっぷり教えていただきました。久元先生の演奏してくださった音から調の特性の違いがよく分かり、家に帰ってすぐに自分でピアノを弾きたくなりました。 今年のワークショップ、音楽の奥深さをもっと知るためにたくさん勉強したいです。これからも良いセミナーを受けて自分のものにしたいと思います。


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