2015年1月25日(日)、愛知県犬山市の睦美音楽センターホールにて奥村真先生によるおはなし会『ピアノ嫌いにしないで上達させるには』を開催いたしました。
一言で「教える」といってもアプローチの方法は様々ですが、今回はピアノを嫌いにさせないという観点から、指導に役立つお話を聞くことができました。わかりやすく、また、奥村先生らしいユーモアを含んだ楽しいおはなし会でしたが、特に練習が嫌いになってしまう要因、それを防ぐためにすることについてとても勉強になりました。
子どもにとってお母さんの影響は大きく、ピアノの練習においても同様。特にまだひとりで練習することが難しい小さな子には、お母さんの言葉ひとつが大きな意味を持ち、お母さんの「素敵だね」というたった一言で練習に身が入ることもあるという話は印象的でした。
水泳の北島康介選手の名言「超気持ちいい。」「なんも言えねぇ。」を例に挙げ"努力して感動することでさらに努力ができる"というサイクルがあるという話もありました。感動できる子どもに育てるには、お母さん自身が感動することがとても大切とも。保護者の方に協力していただくためにも、生徒とその家族とのコミュニケーションが重要だと改めて感じました。
また、日々の練習のモチベーションを保つために教える側ができることに挙げられた9つの方法のうち「50%の成功率の課題を与える」「成功体験をさせてあげる」の2つは、前述の努力と感動の話に通じるものがあると感じました。50%という数字も、心理学の達成動機理論に基づくものだそうです。その他に脳科学者の言葉の引用などもあり、奥村先生のアンテナの幅広さに驚かされました。
他にも為になるお話ばかりでしたが、どの話も生徒一人ひとりをよく見るという事が前提にあり、奥村先生がいかにして生徒と向き合っているか垣間見た気がします。指導者のみならず、サポートする家族や大人の学習者など、受講した皆さんから好評をいただき、大変有意義な時間となりました。奥村先生、受講生の皆様、ありがとうございました。