2015年3月13日(金)、千里ヤマハホールにて『セミナー』が開催されました。講師には菊地裕介先生、「古典派の演奏ポイント ハイドン モーツァルト ベートーヴェンから」と題したセミナーが開催されました。オープニングに甘美な音色で一曲演奏され、会場は菊地ワールドに一瞬にしてひきこまれます。
皆さん この曲ご存知ですか?
『ハイドンソナタHob.XVI 2』 ピテイナD級課題曲の 二楽章ですよ。知らなかった、、でしょう?
全楽章ソナタ弾いてはじめて一つの楽章を、演奏できるのではないでしょうか?とテーマを投げかけてくださいました。
まずはベートーヴェンソナタOP10-3 一楽章。出だしのモチーフがどの楽章にも様々な形となり、登場していきます。シンプルな主題ほどあらゆる可能性を感じ、2楽章 3楽章へと アナリーゼしながら次々と 曲に溢れる宝物を探し出し、キラキラと演奏される菊地マジックに会場は感喜のため息と感動に満たされていきました。
ベートーヴェンは曲の中で何を語ろうとしていたのか?楽譜に書かれていることのこだわりを忠実に表現すること、又他のピテイナ課題曲ソナタも演奏してくださり、全楽章を分析・解説しながら演奏して頂いて、あっという間に2時間半は過ぎていきました。
古典派の演奏ポイントについては幼少の頃はモーツァルト大好きだったという菊地先生。器楽的で物事を客観的に表現するハイドンに対して、オペラやミサ曲、カンタータ ボーカルがメインのモーツァルトは内側から、自分が主人公になり次々と場所を変えて表現します。
そしてひきしまった強靭な人ベートーヴェン。こだわりのくり返されるフレーズ。250年経った今も 愛されて止まない。同じ時代を生きた3人の巨匠は本当に素晴らしいです。
一曲だけの分析でも時間は足りないので、次回は、どの曲?と、菊地マジックに 3人の巨匠のソナタをもっともっと学びたいと思いました。
最後に 「みんな違って みんないい」 という 菊地先生のお言葉が忘れられません。『決めつけて弾いてはダメ。責任のある決まりごとを見つけて深みのある表現をして欲しい。』
ソナタは一楽章のモチーフが全楽章に宝物のように隠れてキラキラ光っています。それを見つけて意識して、演奏できたら素晴らしいと学びました。
次回はどんなソナタを、教えてくださるのかな?と 、帰りのエレベーターで 若い先生方が興奮しながら話しておられて、菊地裕介先生の魅力に、、甘い音色に、、余韻残し、皆さん 素晴らしい講座に大満足で帰られました。菊地先生、本当にありがとうございました 。