第2回目は、エンターテイメント性の高い演奏と奇想天外!?なアレンジが人気の、ピアニスターHIROSHIさんをお迎えしました。
「理論に精通せずとも、弾き慣れた作品を小粋にする方法や、ちょっとした発想の転換で"変曲"する方法など、 耳からウロコの2時間です♪」というご本人からのメッセージどおり、抱腹絶倒の楽しく充実したセミナーとなりました。
「きょうは気軽にHIROSHIさん!と呼んでください」という第一声でご登場。 「きょうは早起きしてきたので、僭越ながら皆様の前で軽く指鳴らしさせていただきます」と演奏したのは、楽しく練習できるド派手な「♪ソナチネブギ」!パンチの効いた演奏に、皆さんの目もバッチリ覚めて!? 会場は期待感に溢れました。(「♪ 曲名」はHIROSHIさんが実演された曲を示します。)
理論から入るのではなく、音域を変えるなどちょっとした工夫でも相当感じが変わる。アレンジは、まずは物真似から。名作にはヒントがいっぱい隠れている!
- 「渚のアヴェマリア」
「アヴェマリア」と「渚のアデリ―ヌ」との相似点、応用の仕方
ひとつのコードだけでも、音域を広げるだけでも様々なアレンジが出来る。
例:「D♭」コードひとつで⇒♪「ピアノコンチェルト第一番(チャイコフスキー)」の冒頭
例:「C」コードと聞いて⇒ドミソの音しか思い浮かばないか、♪「ショパンのエチュードハ長調(Op.10-1)」の冒頭を思い浮かべられるか。
コードを知らなくても、生徒と楽しむためのアレンジはできる。 音楽にジャンルは関係ない。クラシックも生まれた当時はポピュラー。堅苦しく考えずに、クラシック作品もアレンジのヒントと考えて、見直してみる。
ここからがセミナーの真骨頂!受講者のお気に入りの1曲を会場からリクエストを受け、その曲のスタイルを利用して、即興で「きらきら星」を変奏。その都度アレンジのポイントも解説。笑いに包まれながらも、その素晴らしい即興演奏には、一同歓声&拍手喝采でした。
「皆さんも感心しているだけでなく、家に帰ったら真似するんですよ(笑)」というHIROSHIさんからのアドバイスに、一音も聞き漏らすまいと、会場の空気も一段と熱気を帯びてきました。
- 「幻想即興曲」
- 「アラベスク第一番」
- 「メヌエット」(バッハ)
- 「トッカータとフーガ」
- 「英雄ポロネーズ」
- 「王将」
- 「情熱大陸」
- 「革命のエチュード」
- 「クリスマス・イブ」
- 「ワルト・シュタイン」
- 「小犬のワルツ」
- 「バラード第3番」(ショパン)
会場からの質問にもユーモアたっぷりに応えられ、当日の使用テキストからも数曲演奏していただきました。
続・ザッツ・ピアノ・エンターテイメント! (ヤマハミュージックメディア)
会場からの有志と一緒に、♪「ぶんぶんぶん」「メリーさんの羊」「ロンドン橋」「むすんでひらいて」の4曲を同時演奏。見事にハマり(キマり)ました!
明日からあなたもHIROSHIになれる!? ♪「ぞうさん」変奏曲を使って。
アレンジのポイント、有志による演奏、アドバイスなど。
ワンポイントアレンジアドバイスでは、ちょっとした発想の転換や弾き方の工夫で、受講者の演奏がみるみるうちに変化していく様を体験できました。また丹内真弓先生による「赤とんぼ」変奏曲には、「Bravo!」のお声かけも。
♪「東洋風ジングルベル」「赤はじのトナカイ」「聖しこのボレロ」と、楽しくも華やかな演奏で締めくくってくださり、大きな拍手が鳴り響きました。更にアンケートタイム用BGM&お別れの曲のサービスも!笑いの中にも心に響く大事なことをたくさん教えていただいた2時間でした。終了後も気さくにサインや握手に応じてくださる姿に、皆さんも大感激!早くも続投を望む声も多々寄せられました。
(Rep:佐土原知子)
楽しい講座をありがとうございました。アレンジ法も惜しげなくお教え頂き、嬉しいです。HIROSHIさんの楽しそうに弾く姿がまぶしく、早くピアノに触れて、戯れたくなりました。クラシックピアノが堅苦しくならないようにというHIROSHIさんの信念がとても伝わるセミナーでしたが、結果、HIROSHIさんの活動はクラシック曲を知るきっかけ作りになると思いました。私も何事も「できない」と言わずに、捨て身でピアノと向き合いたいと思います。本当に楽しく、人生勉強させて頂いた気持ちです。
HIROSHIさんのステージは演奏、アレンジ、選曲はもちろんのこと、衣装やステージマナー、ユーモア、トーク・・・と全てにおいて勉強になります。私は母がピアノの先生で、「クラシック以外は聴いてはダメ」と言われ、ひたすら古典的な練習を強いられ、全然ピアノの楽しさを感じられずにいました。ですので、HIROSHIさんの演奏を初めて聴いた時には戦慄が走りました。おかげでクラシックの「堅いだけ」というイメージからは抜け出すことができ、レッスンや本番も楽しめるようになり、そして生徒にもその楽しさを伝えることができるようになりました。