2014年10月27日(月)日響楽器名古屋池下店2Fホールにおいて、丸山京子先生のセミナー「生徒を伸ばす!教本の選び方&使い方」が、多くの熱心な参加者の中開催されました。
丸山先生はピアノ指導の傍ら、国内外の多数のピアノ教本を研究され熟知されています。今回のセミナーでは、持参された多数の教本をプロジェクターで投影され、具体的に紹介されました。そして、教本の選定の前には、生徒をよく知ることからスタートする必要性を説明されました。
丸山先生は、指導者は生徒の年齢と月齢、家庭環境、本人のピアノへの興味、学習の目的等を把握した上で、指導者がやりたいレッスンができる環境を加味して、教本を選定する必要があるという考え方を示されました。
次に各国の教本を例に挙げて、「何からどのように教えていくか」ということを具体的に説明されました。たとえばアメリカの教本は、バスティンやペース、アルフレッドのように総合学習的要素を盛り込み、分冊型教本で螺旋型学習を追及しています。ロシアやハンガリーなどでは「耳を育てる」、フランスでは「うたごころを育てる」など国ごとに特徴があり、教本は「ピアノ指導の補助ツール」という考え方に基づくものが多いそうです。一方、日本ではピアノ教育とともに、作曲家やピアニスト、音楽教育家たちが工夫して多くの教本を生み出してきました。
それらの教本を上手に使うためには、指導者は長いスパンで指導目的を立て、生徒の個性に合わせて幹となる教本を選定して、併用したり割愛したりしながら柔軟に組み合わせていく力をつけなければいけないと強調されました。
こどもたちのピアノの継続のためには、いかに教本の選定が重要であるかということ、また、常に努力される丸山先生のお姿に心引き締まる思いをした素晴らしいセミナーでした。 丸山先生、どうもありがとうございました。
(Rep:ピティナ名古屋支部 野原眞由美)
★次回セミナー告知★
舟橋 三十子先生による 【名曲のスタイル分析―ピアノ曲をつかって―】
◆日時:2014年11月10日(月)10:00-12:00
◆会場:日響楽器池下店 2階ホール
◆受講料:PTNA会員:3,000円/一般:3,500円 ※シリーズ講座 4回通し券:10,000円
◆内容:あの名曲がどのような構成で、どのような意図を持って書かれているのでしょうか。
まずは楽曲のスタイルをおおざっぱに分析し、その曲の背景を知り、クラシック音楽をもっと楽しく聴いたり弾いたりしてみませんか?
映画やドラマを見るときに、ストーリーだけでなく時代背景や演出方法、舞台装置、照明など作品の裏側を知っておけば、より深い理解ができますよね。それと同じように、音楽のスタイルを理解することで、今までとは違った聴き方・弾き方ができるようになりますよ!
この講座では、古典派やロマン派のピアノ曲を中心に、有名な作品のスタイル分析を通して、より良い演奏や指導への活かし方を探ります。
♪ ピアノ演奏:牧村 沙保(名古屋芸術大学非常勤講師)
♪ 使用テキスト:『クラシックの聴き方入門 −名曲のスタイル分析 全80曲−』
定価1700円+税(ヤマハミュージックメディア)
◆お問い合わせ先:名古屋支部 TEL: 052-253-7192
※WEBからのお申し込みは こちら をクリックしてください。