第2回 2014年5月21日(水) 石田 祥子先生
今年度コンペ課題曲研究~近現代作品を中心に
5月21日(水)作曲家の石田祥子先生をお招きし、音楽総合力アップワークショップ第2回を開催しました。
今回の講演では、昨年度のC級課題曲「宇宙探険」が完成するまでの行程を、「宇宙」をテーマに据えたきっかけから、音の素材選び、組み立て方に至るまで、詳細にご説明くださいました。滅多に聞くことのできない作曲家自身による解説に、楽譜を広げ、聴き入る受講者の姿が見られました。
「その情景はどのように音に表すことができるのか」を常に考えることが作曲家として必要と述べられた石田先生。「身の回りの音」を「地球の音」と捉えているそうです。
<受講者の声>
松丸弘子先生(研究会員)
「はじめて出会うコンチェルト」シリーズなど、エレクトーンの作編曲作品を多く手がけている。 ミュッセで作編曲作品を販売中。(ミュッセ販売作品一覧はこちら)
作曲家本人から自身の作品をレッスンの現場に活かせるようにご説明いただけたことは、とても貴重な機会だったと思います。やはり、ご本人から作品への思いを聞くのは違いますね。私も含めてきっと受講者は皆、石田先生の作品に親近感が湧くようになったと思います。レッスンでも、子どもにイメージを伝え易くなったのではないでしょうか。私自身作編曲をしていて、共感するところが多くありました。作曲のやり方は一つではないため、時に自分のスタイルや姿勢に不安を覚えることがあります。演奏者の笑顔を思い浮かべながら、試行錯誤を重ね一つの作品をつくりあげていく石田先生に姿に、大変刺激を受けました。同時に、「この思いを抱えているのは私だけではないのだ」と再確認することができ、作曲への思いを新たにしました。とても密度の濃い2時間でした。
高嶋麻企先生(正会員)
Yokohamaみらいステーション代表。音楽総合力UPワークショップ初受講。
課題曲作曲では、対象年齢や年齢に応じた手の大きさが考慮されているだろうことはイメージしていましたが、「こんなテクニックを身に着けてほしい」、また「長い期間、曲を追究、練習する生徒達がいつも楽しむ気持ちを持って取り組んで欲しい」との思いを作曲に込められていることを知り、教える側としても、その部分を汲み取って練習を重ねていかなければ!と考えました。 今回細かい作曲のプロセスをご説明いただき、雰囲気だけで演奏しては作曲家の意図した作品にはならないと、改めて感じました。私たちは演奏する上でアナリーゼしますが、作曲はアナリーゼを反対方向から行っているような感じですね。石田先生のお考えから、作曲家だけではなく、演奏家と聴衆がいてこそ曲が完成することを強く感じ、「広がった世界を感じられるように指導をしていきたい」と思いました。
福田千恵子先生(正会員)
昨年度コンペにて予選課題曲として「宇宙探険」を指導。
私が思っていた以上に色々と悩みながら主題が出来上がっていたこと、「コンペティション」を意識して心を配っているというお話が印象的でした。イメージも直にお聞きできて曲作りに参考になりました。石田先生の、作品と子どもたちへの深い愛情を感じ、指導者として、より子供たちに曲の魅力を伝える努力をしなければと痛感しました。曲の分析はとても大切ですね。曲を弾く前に子どもたちと一緒にしっかり勉強をしていけたら、 さらにステキな曲に仕上がると思います。
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