【実施レポ】根津栄子先生 チェルニー30番で子どもたちの心を開花!!

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2014/05/20
  
根津 栄子先生
チェルニー30番で子どもたちの心を開花!!
~もっと弾きたい!だから育つ指導法~
文・写真:緒方ヤヨイ(ピアノ講師・「うたとピアノの教室オーバル」主宰)
チェルニー30番 30の小さな物語
チェルニー30番 30の小さな物語

会場:スガナミ楽器(株)経堂店内ホール

 独創的で効果の高い指導アイディアで人気の根津 栄子先生。
子ども達が楽しく力を伸ばせるようにと、「チェルニー30番 30の小さな物語(上巻・下巻)」を出版、全国で指導法をレクチャーなさっている。

●いつまでに、どのように育てたいか

 チェルニーに無理なく進むには、基本的なことを先取りで指導しておく。 ご自身の子どもの頃からの歩みと、バスティン・メソードとの出会いが語られた。このメソッドを活用することで、調号を見ただけでイヤだな、と思わないよう全調に慣れておける。

更に、手の形や体の使い方、イメージがパッと広がる力、演奏に必要なテクニックなど、導入から上級まで行われているトレーニングが、たくさんのグッズと共に具体的に紹介された。
特徴的なのは、イメージ(何を表現するか)を重視している点、同時に即時反応力が鍛えられる点、子ども達の「やってみたい」「どうなってるんだろう」などの興味を引きやすい点である。「うまく出来ない...」と必死になればなるほど、体も心も固まりやすくなるが、笑顔で体の力を抜きながら取り組めるように考えられている。

●練習曲集ではなく、"楽しい曲集"

 カラフルな挿し絵が入っているバスティン・メソード教本から、いきなり無味簡素な楽譜に進むと、生徒さん達は馴染むだけで時間を要し、イメージもわきにくくなる。
 タイトルと挿し絵で夢の世界に連れて行ってあげたい、との願いが込められ、加えて具体的な演奏テクニックを自覚しながら習得でき、アナリーゼ力もつく「チェルニー30番 30の小さな物語」。

 譜めくりしなくて済む構成、テクニックの難易度に添って曲順を入れ替えるなど、ストレスが極力減るよう、工夫されている。
 上巻から何曲か、根津先生ご自身の演奏で、指導法が解説された。
 この版を使った生徒さん達は、チェルニーを"楽しい曲集"と受け止め、発表会でも好んで弾くそうだ。

●チェルニー30番が大好きだった生徒さん

 参考として、ピティナ・コンペティションで金賞を受賞した生徒さんの演奏映像が披露された。チェルニー30番が大好きで、3カ月で履修し終えたそうだ。
 「チェルニー30番は、ものすごく大きなものを秘めた教材ですよね」
 根津先生の言葉からは、チェルニーへの敬意が感じられた。

 

 まだ読譜力やテクニックに自信がない段階でも、この教本なら、焦らず、少しずつ取り組み続けていけそうだ。
 「もうちょっと、お付き合いしてみようかな」
 そんな気持ちを起こさせる、温かな愛情が伝わってくる教本だ。

緒方ヤヨイ
ピアノ講師。東京都大田区にて「うたピアノの教室オーバル」主宰。武蔵野音楽大学音楽学部声楽科卒業。神須美子、田口久仁子の両氏に師事。大手ゲームメーカーのサウンド部門に勤務、BGMの作曲や、効果音、音声データなどを担当、サウンドドラックCDをリリース。2003年よりピアノ教室を開設、指導にあたる。現在、後田 丞子氏にピアノを師事。全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)指導会員。ヤマハPEN会員。コーチングレッスン・セミナー全級修了。NPO法人 日本スクールコーチ協会 正会員。ブログ[楕円は踊る♪]
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