2013年10月15日、日響楽器池下店2階ホールにて、中田元子先生に
よるセミナー「初級、中級へつなげるピアノ指導法 - ソルフェージュ教育を基礎とした初期指導の工夫」が開催されました。
中田先生の長く豊富なご経験と実践に基づいたプログラムについて
お話をしていただきました。
長く続けるためには、導入期の徹底した基礎作りが大切、読めてわかって疲れずに弾ける
ように導くことが大切、と、その具体的な指導方法の例を 受講生が時に生徒となってリズム
打ちなどの体験もあり、 とてもわかりやすく納得できるセミナーでした。
主な内容は
◎ピアノを初めて習いにきた時に、ピアノという楽器に興味を
持たせる働きかけ
◎一拍単位から始めるリズム導入、模倣やリズムパターン、拍子、
カード作り
◎楽譜作り、五線譜やト音記号・ヘ音記号と音符の楽しい導入
◎和音は分離して聴く力を育てる、和音の種類が聴き取れる耳
◎幼児はいきなり五本指では弾かせない、無理のない弾き方から始める
◎声の出しやすい音域から歌うことを始める、ハンドサインの活用
◎固定ドと移動ド、その子の聞こえ方で指導の方向が決まる
これらのことを少しずつ同時進行で進め、ポイントは絶対外さない。
その結果、小さい子供でも集中力が保て、新しいことにも怖がらずに取り組むことができる。
さらに、始めて数年経つと、何冊もの楽譜をこなす子が育つ、長い曲でも構成を把握し、
暗譜に強くなる。
ソルフェージュ教育に重きをおいた指導は、長く生涯にわたって音楽を楽しむ人を育て、
その関わりには大きな喜びと感動がある。
これらの指導の成果の一つとして、八十を超える高齢の方が、ベートーヴェンのソナタ
全楽章をステップ等で楽しく暗譜で演奏されるエピソードのご紹介がありました。
中田先生のいわれた言葉で特に印象に残ったのは「ピアノ党」です。
政党ではないですが、ピアノで世の中を元気にするのが「ピアノ党」、私もピアノ党の
一員としてますます研鑽しなくてはと強く思いました。
そしてもう一つ、指導法は固定してはいけないということ。
時代と共に価値観や環境は変化するので、柔らかな頭でその時その時に合った指導法
を探し研究しなくてはいけないということです。
何処までいっても勉強、勉強には終わりがないということをあらためて実感した一日でした。
具体的な数々の指導方法、早速その日からレッスンに活かしたいと思いました。
中田先生 ありがとうございました。
(Rep:ピティナ名古屋支部 小形裕美)
★次回セミナー告知★
下田 幸二先生による 【ショパン その正しい演奏法】
◆日時:2013年11月11日(月)10:00-12:00
◆会場:日響楽器池下店 2階ホール
◆受講料:PTNA会員:3,000円/一般:3,500円/※シリーズ講座 4回通し券:10,000円
◆内容:ショパンは《ピアノの詩人》と謳われ、甘美なイメージを持たれていますが、
実は「非常に緻密な書法」を楽譜に遺した作曲家です。本講座では、装飾音、
アルペッジョ、ペダリング、カンタービレ、ルバート等、ショパンを弾く上で、
教える上で、知っておきたい基本を押さえます。
そして、具体的な練習法、指導法などを考えます。
♪ 使用テキスト:ショパン その正しい演奏法 (下田幸二著・ヤマハミュージックメディア刊)
♪ ご用意いただきたい楽譜:
ショパン:エチュード、バラード、スケルツォ、ノクターン、即興曲
バッハ:インヴェンションとシンフォニア
◆お問い合わせ先:ピティナ名古屋支部 TEL: 052-751-6161(日響楽器内)
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