【実施レポ】チェルニー30番で子どもたちの心を開花!!(根津栄子先生)

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2013/08/05

 チェルニー30番練習曲。
ピアノを習うこどもたちのほとんどがこの教材を使ってテクニックの習得に励みます。
私も小学生の頃に取り組みました。しかし、チェルニーと言えば・・・『退屈な指の練習』
という印象が。当時、この曲集を何の楽しいイメージを持つこともなく淡々と練習していた
記憶があります。そんなチェルニーに革命が!
7月29日JEUGIA大宮アマデウスサロンにおいて根津栄子先生『チェルニー30番 
30の小さな物語』
の楽譜出版記念セミナーが開かれました。

 こちらのテキスト、表紙を見ただけでとても楽しそうな曲集であることが伝わってきます。
夢がいっぱい詰め込まれて、ウキウキワクワクするような感覚を覚えます。
中を開いてみても、一つ一つの曲に題名と挿絵がつけられ、イメージがグーンと広がります。
題名に関しては、なんと、根津先生の生徒さんたちが付けられたそうです!

♪ 例えば、「リスさんの木の実ひろい」「やまめのおいかけっこ」「ピエロのおてだま」など、
  可愛くておもしろい。「やまめの追いかけっこ」は、釣り好きのお父さんに連れられて川に
  行った生徒さんがみたやまめ。これが泳いでいるイメージが曲から沸いてきたということです。
♪ 「リスさんの木の実ひろい」は、この曲を聴いてみるとわかると思いますが、かたい木の実を
  コツッコツッとしているイメージなんですね。

 実際に生徒さんが考えたというだけあって、日常にある身近なものからイメージを膨らませ
ることができるので、大変魅力的です。
さらに、一つ一つの曲に対する目的・目標(例:指の独立、連打など)が書かれていたり、こども
たちにも読みやすい解説がついていたり、オーケストラの音をイメージしながら弾けるようにと、
巻末にその楽器の紹介がされていたり。単調になりがちなチェルニーの練習曲をあらゆる
角度からアプローチし、豊かなイメージを持って弾けるように工夫がなされています。

 これは抜粋でいくつかの曲のみですが、「アナリーゼ(楽曲分析)をしてみよう」というページ
もあり、こどもたちがより楽譜に書かれていることを深く考える、という作業がここでできるよう
になっています。

 この曲集のもう一つのポイントは、チェルニーを弾くために必要な基礎的な指づくりや
ストレッチ、スケール、アルペジオ、アルベルティバス、ハーモニーや和声、脱力の練習法が
具体的に写真や図を使って紹介されているという点です。

 セミナーでは曲集には書かれていない、根津先生こだわりのテクニック習得法もご伝授
いただき、先生の日々なさっているレッスンが基礎に徹底的こだわっていて、また、それが
とても重要であること、先生の指導に対する熱意がものすごく伝わってきました。

 私も自分の生徒さんに使えそうなことは早速実践してみます。
ボールを使ったリズム練習や指をグーパーグーパー開いて瞬発力を鍛えるトレーニングなど、
生徒さんたちきっと楽しみながら試してくれると思います。

 「こどもたちに楽しくピアノを学んで欲しい」という根津先生の想いがたくさん詰まっている
この曲集。従来のチェルニー、「退屈な指練習」と同じ曲集とは思えません!
私の小学生時代にもこんなチェルニーがあったらもっと楽しく練習できたなぁ。今のこどもたち
がうらやましい!私もこの曲集使ってチェルニーやり直してみます。
根津先生、ありがとうございました。

(Rep:ピティナ京都支部 吉岡桜里)


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