1月28日(月)、日響楽器池下店2Fホールにて、パップ晶子先生による「〈子供のために
1〉ハンガリー民謡の世界」と題したセミナーが開催されました。
バルトークはロマン派の終焉に生きた作曲家で、ロマン派の音楽とは違う独自の新しい
作曲技法が求められた時代にあった。そこでバルトークは、民俗音楽を採集し、その要素を
もとにした音楽語法を開拓した。
このようなお話しからセミナーは始まり、先生の生演奏も交えてお話しを頂く形で進めら
れました。
〈子供のために1〉は、バルトーク自らが採集したハンガリー民謡に基づく子供のため
のピアノ曲集。使用された民謡は、子供の歌、愛の歌、酒の歌、兵士の歌、冗談歌、婚礼
の歌、豚飼いの踊りなど、人々の生活から生まれた様々なジャンルのもの。ハンガリー民
族の気性や原語にもとづいた、独特のはっきりとした切れのよいリズムやタッチ。
音階には、ハンガリーの5音音階(ラドレミソ)や、その派生形と思われる旋法が使われて
いる。「ノン・ロマンティック・ビューティーの世界を子供たちに伝えたい」このバルトークの
思いが印象に残りました。
パップ先生の、バルトークとハンガリーへの愛に満ちたお話し、民族衣装や村人の写真、
バルトークの自筆譜、そして素敵な生演奏により、まるでハンガリーにいるかのような気
分になりました。また、貴重なバルトーク自身の演奏も聴かせて頂き、その時代にタイム
スリップして同じ場所で空気を吸っているような感覚を味わい、とても感動しました。
私にとって、興味はあってもなかなか近づけない作曲家だったバルトークが、今日の
セミナーで、もっと知りたい弾いてみたい、魅力的な作曲家になりました。
パップ先生、ありがとうございました。
(Rep:ピティナ名古屋支部 赤松佳容子)