2013年2月25日(月)10時30分より、ヤマハ岡山店サロンホールで石嶺尚江先生による
「今日のレッスンから使えるバッハインヴェンション指導法」と題したセミナーが
開催されました。前日長時間ステップのアドバイザーを務めた石嶺先生ですが、
お疲れも見せずパワフルな講座に約40名の参加者が引き込まれました。
まず、「インヴェンションに入るまでの下準備」として、先生は半年から一年かけて
魅力やすごさを生徒に話し、憧れや期待感を持たせている、そしていよいよインヴェンションに
入る初日は1回分のレッスン時間を丸ごと使っている、という話に驚きました。
その中身が「バッハ先生に興味を持たせるための裏ネタ」と言える、バッハの人物像、
時代背景、その時代の楽器の特徴を子供にも分かりやすく説明、それらをまとめた資料を
生徒の楽譜に貼り、いつでも見られる状態にしている、との事でした。
受講者にもその資料が配られ、カラーの表裏1枚のわかりやすいものでした。
♪ 先生の参考文献:「聖書の音楽家 バッハ」(音友、絶版)
「バッハ 魂のエヴァンゲリスト」(講談社)
後半は「インヴェンションに隠された、バッハ先生からの隠しメッセージを読み解こう」
という事で、そのキーワードとして、当時の楽器の仕組みを知り、現代の楽器での
強弱を考える事、「フィグーラ」を作曲に生かしていたことなどを話されました。
「フィグーラ」という言葉は、わたしも聞いたことがありましたが、実際にどんなもの
だったかが初めて理解できました。他の受講者も同様だった様です。
最後はインベンションの中から、主題が順次進行の1、4、7番を実際にアナリーゼ。
耳の錯覚でrit感を出している(受講者で手拍子をして実際に体感)などは新鮮な驚きが
ありました。
♪ 先生の参考文献:「ピアノ教師 バッハ」→タイトル変更、内容改定版
「インヴェンションとシンフォニア創造的指導法」(音友)
先生ご自身がバッハを愛され、深く勉強され、生徒たちにうまく伝える努力をしている
ことが伝わり、先生に習う子供たちが、生き生きとインヴェンションを演奏している姿が
想像できました。
「インヴェンション」の残りの曲についてもお話を聴いてみたい、自分も謎解きをしながら
もう一度じっくりと「インヴェンション」を弾いてみたい、と思いました。
石嶺先生、ありがとうございました。
(Rep:井上美千代)