2012年11月26日(月)日響楽器名古屋池下店2Fホールにて、
長谷川淳先生による「ベートーヴェン徹底研究 -ソナタを通して、
ベートーヴェンのタッチを学ぶ-」が開催され、多くの熱心な指導者
の方々が参加されました。
長谷川先生は先ず始めに、ピアノ音楽の中でもその圧倒的な存在感で君臨するベートーヴェンのソナタを、彼の人生や時代背景、楽器の特性など、演奏に取り組む前に備えておくべき知識について詳細にお話されました。その上で、ベートーヴェンのソナタは古典派ゆえの明確な構成力を踏襲しているので、アナリーゼが非常に大切であり、モチーフ,調性、リズムの厳格さなど、気をつけるべき多くの課題を具体的に示されました。
シンフォニーの大家であるベートーヴェンのソナタは、オーケストラのパートを考えた多重的な
音楽であり、重厚な響きを出すことはとても難しく、私も今までタッチに確信を持てたことがない
まま演奏をしてきました。
しかしながら、このセミナーでは初期の代表作「悲愴」、中期の代表作「熱情」を題材に、プロジェクターとスクリーン、ピアノのアクションモデルを使用して、ベートーヴェンにふさわしい音を出すための手のフォームやタッチの指の角度、ダブルエスケープメントの機能など、詳細に分かりやすく教えていただくことができました。
そして、それらによって生み出される音は、長谷川先生のアシスタントの三宅菜津子さんの素晴らしい演奏により、さらに具体的になり受講者一同、目も耳も大きく開かれ釘付けとなりました。
ベートーヴェンの深い精神性と構成力により生み出された作品群への、長谷川先生の熱く強い思いを感じながら、自分自身のさらなる向上のために、なお一層の勉強の必要性を改めて考えさせられた素晴らしいセミナーでした。
長谷川先生、どうもありがとうございました。
(Rep:ピティナ名古屋支部 野原眞由美)