【実施レポ】楽しく弾くバッハ(樋口紀美子先生)

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2012/05/23

blog_120521hiroshima_higuchi.jpg当地では今年で29回を迎える地元新聞社主催のコンクール(PTNAコンペとの併願も多い)の予選課題曲として必ずバッハのインヴェンションが課せられるため、バッハのセミナーのニーズも高く、また熱心な勉強会も盛んですが、この度は33年間ドイツでピアニストとして、また指導者としてご活躍された樋口 紀美子先生をお迎えして 「楽しく弾くバッハ-インヴェンションは怖くない-」 セミナーを5月21日に開催いたしました。

樋口先生は「バッハのインヴェンションほど調性感をはっきりと示し、こんなに完璧に作られた曲は無い!」と明言され、バッハのインヴェンションを楽しく生き生きと演奏するための"約束"を4項目に分けて解説くださいました。

一つ目は「メロディーラインが高い方へ向かっているところでは心でクレッシェンドを...低いほうへ
向かっているところでは心でディミヌエンドを感じる」、二つ目は「2声(左手と右手)の音と音との
音程を感じ取り味わいながら弾く」という事です。瑞々しく生き生きとした演奏でいくつかのパターン
で弾き分けられ、この二つのルールに則っていれば様々なアーティキュレーションでのアプローチが可能であるバッハの自由さを教えてくださいました。さらに三つ目としてカデンツを見つけ和音にして弾き調性の移り変わりを理解する、四つ目としてフレーズの中にその調性の音階やアルペジオが
隠れていてそれらを発見し理解することで音楽に自然な流れが生まれる...ということ。
調性やリズムによってバッハは喜びや悲しみ...様々な感情を表しているので、それらを探く
理解して、個性をもって奏でることが大切だと強調されました。

「時には2声であるのに響きを残し3声のハーモニーを感じながら...」と本当に自由に演奏される
樋口先生のインヴェンションはまさに音楽の歓びを伝えて下さるものでした。
その他にも8分の6、8分の9の細かい動きのなかに輪郭となる大きなビートがあること、増1度
というシェーンベルクを思わせるようなモダンな音程も使用されていること等々、インヴェンション
の知られざる魅力も教えて下さり、受講者の先生方に「ご自分で色々試して楽しんでみて下さい。
きっとそれが生徒さんに伝わりますから♪」と結ばれました。

インヴェンションは偉大だけれど怖くない...生きる喜びに満ちた音楽であることを教えて頂きました。樋口先生、どうもありがとうございました。

(Rep:ピティナ広島中央支部

 

 


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