【実施レポ】導入期の能力開発&親対応への極意(石黒加須美先生)

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2011/09/16

 2011年8月29日(月)ヤマハ岡山店サロンホールにて、石黒 加須美先生による
「導入期の能力開発&親対応への極意」というテーマでセミナーが開催されました。
石黒先生は前日の岡山夏期ステップでも「親学レクチャー」を開いてくださり、あっという間の
2時間でした。
 
 この講座は「導入期の指導で石黒先生ご自身が行ってきた能力開発」「導入期の指導が
全課程のレッスンの原点に」「保護者の心を動かす指導者としての対応策」
「ちびっこフリーステージに向けて」という4つの項目に分けて進められました。

 まず、導入期に先生が行ってきた指導では、先生の教室で2歳から行われている
カリキュラムについて図解で示され、リトミック、うた、絵本によるイメージ体験、楽器あそび、
読譜の準備、絶対音感訓練を平行して行っている事が分かりました。
 その話の中で、先生はあらゆる導入期の教材について勉強され、完璧なメソッドは無い、
その子に合ったメソッドの長所を組み合わせた様な指導が必要になってくる、と話され、
「オルフ理論」「リトミックも一通り勉強し、よいのだが、相対的なリズム感」など、
初めて聞く言葉も出てきました。
 また、音楽は早期教育が重要であること、その入り口で様々な原体験をし、
イメージをふくらませ、良い耳をつくる事の大切さがわかりました。
又、良い耳を作るためには生の音(演奏)を聴かせなければならない、という話の中に、
その音を聴いてみたい、身近なものですませて来た事が耳にそんなにも影響するものなのか、
と驚きました。

 「導入期の指導は全過程のレッスンの原点に」では、リズム感がない、読譜が不得意、
音ミスが多い、不安定なテンポ、暗譜が苦手、表情がない、手が痛くなる、など、
レッスンの過程で起きるあらゆる問題は、導入期につくられている、とのことでした。
 そしてその問題は、導入期に指導者がつくっている。指導者はこのことに全責任を
負わなくてはいけない。この言葉は思い当たる生徒もいて、とても重いものでした。

 「保護者の心を動かす指導者としての対応策」では、最初に「指導者自身が子供の可能性が
無限大であることを知りましょう」とありました。その無限大の可能性を伸ばすために親の
できることは、適切な環境を与えて、本当にそれが必要、おもしろい、と子供自身に感じさせると
無理のない力(能力)として身に付き、その能力を使ってその子の世界や生活を生き生きと
広げようとしているかいつも見守っていく必要がある。
 反対に、読み書き、計算など、目に見えやすいところに関心を集中させ、ごほうび、しかられる
など、訓練されるとその能力を使って何かしたいという人間的な能力が育たず、役に立たない。
このことは前日のステップでの「親学レクチャー」での保護者に向けて同じように話してください
ました。そして、このことや導入期の指導について、体験レッスンは行わず、入会時に2時間
かけて親と話をしている、とのことでした。
 レッスン開始と同時に、これだけのことを保護者の方に理解してもらえていれば、どんなに
協力的になってもらえるか、子供にとってもどれだけ良いことか想像できました。

 最後に、親を巻き込みながらステージに対する恐縮心なく積極的にステージ活用が
できる土台作りとしてステップのちびっこフリーステージの活用を紹介してくださいました。
実際に先生の教室の生徒さんが指導者の素敵な伴奏と共に、3つの音でも音楽的に
ピアノ演奏している様子が撮影されたDVDも見せていただきました。

 このセミナーには、参加して初めて石黒先生のことを知り、大変感銘を受けた方
(私もその一人ですが)石黒先生のことを調べて遠方からおいでくださった方などおられました。
講座終了後に直接先生に行く方も大勢おられ、まだまだ先生のお話を聞いて勉強したい、
との声が多く寄せられました。
 私自身、今回初めて「オルフ理論」の存在を知り、調べてもよくわからないので、是非先生
のお話が再び聞いてみたいと思いました。
ステーションでは、セミナーを3回シリーズにしてより詳しく話を聞き、より多くの指導者と
共に勉強したいとの思いを強くしました。石黒先生、ありがとうございました。

(Rep:ピティナおかやま白桃ステーション  井上美千代)

 

 


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