毎年、恒例となりました佐土原知子先生の『ポピュラー指導法セミナー』...今年も、はるばる青森や長野、そして福島からと、全国から多くの受講生が集まりました(76名申し込み、内70名参加)。とても充実した4時間弱、巣鴨<東音>ホールは、熱気と満足感で満たされました。
《佐土原先生のご挨拶》
「当セミナーの、受講料及び募金箱の金額すべてを、"被災地にピアノをとどける会"に、寄付することを、ご了承ください。」とのお話に、満場一致、拍手で同意いたしました。
- ※
- 本セミナーの収益金(受講料+募金箱)の全額260,500円を、東日本大震災義援金として、"被災地へピアノをとどける会"にお送りしました(6/23)。
《講座の内容》 2011年度PTNAピアノステップ新課題曲34曲を、
1.みんな大好き!"ディズニー&ジブリ、アニメ&シネマ"
2.生き生き楽しく!"ラテン系"
3. かっこいい"ロック&ポップス系"
4.ノリが決め手の"ジャズ系"
4つのジャンル別に、すべて生演奏でご紹介くださいました。
佐土原先生は、各々の曲について、楽曲やリズムの特徴や、エピソード、掲載楽譜を紹介。
具体的な奏法については、
★スタッカートの切り方 ★休符の感じ方 ★曲に応じた打鍵・離鍵のスピード ★指使いの工夫
★ペダルのタイミング、コードネームや音階(モード)の解説、イメージを持って弾くことの大切さ
など、盛り沢山に教えてくださいました。
《村瀬"Chang-woo"弘晶先生のリズム講座》
今回初出演の村瀬先生は、和洋の垣根を越え様々な分野でご活躍の"マルチパーカッショニスト"。先ずは、一見すると楽器には見えない、"カホン"という、箱型の不思議な楽器を紹介。
空洞に弦が張ってあるだけのシンプルな構造ですが、先生の手にかかると、魔法のBOXのごとく多彩な音色が生まれるのでした。
村瀬先生は、"ウラ"を、キーワードに、それぞれのリズムの捉方を、わかりやすく伝授してくださいました。会場中が一体となって、アフタービート、裏拍、3連符の3つ目...皆、ノリノリで手拍子いたしました♪
村瀬先生からは、
- ★
- "ノリ"のためには、ウラでとることが、非常に重要であること
(グルーブとは、ウラからオモテを繰り出すこと。単なるテンポとは違う!) - ★
- それぞれのリズム(音楽)は、現地の言語と密接な関係を持っている
- ★
- ジャズのノリは、決して上には跳ねず"円運動"をイメージ等々、「なるほど・・」と心に訴えかけるお話と、素晴らしくリズミカルなサポート。楽しいお人柄に、会場全員のせられました!
《松本あすか先生、課題曲演奏とミニライヴ》
今回は、あすかさんが編曲された、
新課題曲『エリーゼのために-ROSSO- ベートーヴェン』(展開1)、
『ピアノ協奏曲第2番第1楽章- Fox Chase- ラフマニノフ 』(展開2)の
2曲をまず演奏してくださいました。
あすか先生からは、
- ★
- 細かいリズムを追いかけるより"一定の拍子感の波"を身体で感じ続けること
- ★
- メロディーとハーモニーの響きをセットで楽しむこと
- ★
- 記譜されていない、ノリによって自然と発生する音(ゴーストノート)を感じること... またまた「なるほど」の連続。
昨年のセミナーでも演奏してくださり、(私も含め)すっかり、あすかさんの大ファンになった方も多いはず。
ミニライヴでは、後輩の菅谷詩織さんと、ベートーヴェン『月光』を連弾で、モーツァルト『トルコ行進曲』を鍵盤ハーモニカとの共演で聴かせてくださいました。
ますますパワーアップした"あすかワールド"に魅了され、ライヴ後、あすかさんの楽譜がとぶように売れておりました。
《丹内真弓先生&村瀬氏のアンサンブルライヴ》
今回、課題曲ほぼ全曲を、パワフルに情熱的に演奏してくださった丹内先生。(もちろん定番となった鍵盤ハーモニカも、超かっこよく披露してくださいました!)長い講座の後、お疲れを微塵も感じさせず、迫力満点に、村瀬先生とのパーカッションと息ぴったりのセッションをしてくださいました。
曲目は、『One Love(課題曲バージョン)』と『スペイン』。そして鳴り止まない拍手に、アンコール曲『ジュ・トゥ・ヴ(ジャズバージョン)』。最後に、とびきりの贅沢を味わいました!ちなみに、丹内先生の新課題曲演奏の映像は、You Tubeにアップされています。
《全体を通して》
いつもながら、刺激を受ける一日となりました。
佐土原先生のコンピューターぶりは、超人的(失礼!)としか言い様がありませんが、今回は特に、"新しいことに常にアンテナを張っている"ことに、感動いたしました。
一曲目から、『ドラえもんのテーマ』とのことで、「あ~あれね」と、構えていた私は甘かった!テーマ曲、変わっていたのですね...軽いカルチャーショックを受けつつ、嵐の曲にまで、どうしてここまでお詳しいの!と、驚きと感心の連続でした。クラシック同様、ポピュラーも奥が深く、独特の難しさもありますが、私達も勉強を重ね、時代に乗り遅れぬよう、生徒たちのニーズにこたえてゆきたい、と実感いたしました。
来年も、楽しみにしております。
そして、佐土原先生の素晴らしいご意向により、被災地の、一人でも多くの方が、音楽によって
心癒されますよう、お祈り申し上げます。
(Rep:松田映子)