【実施レポ】音楽性を育てるためのピアノ連弾からのアプローチ実践編(ドゥオール)

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2011/06/17

blog110613nagoya_duol.jpg≪音楽性を育てるためのピアノ連弾からのアプローチ実践編≫という事で、4月の江崎光世先生の連弾の魅力、意義、指導法に続いての企画で、前回の講座とは別の観点から学べる講座が、6月13日月曜日に開催されました。
 
今回の講師は、ドゥオールの 藤井 隆史先生、白水 芳枝
先生。「ドゥオールというネーミングのごとく、ドゥ・(ふたりで)、オール・(ヘブライ語の光りあれ)、音楽を届けたい!」と、ピアノデュオで、世界中の演奏活動を始め、ラジオ番組にも携わりながら、大学で指導されている 藤井隆史先生、白水芳枝先生の聴きごたえある演奏からスタートしました。 フレッシュでパワフルな演奏に、聴きいってしまいました。連弾課題曲講座も兼ねられて、両方楽しめるうれしい講座でした。

さて、演奏会かと思う程のうれしい演奏、共通課題曲でもある、ヨハネス・ブラームスのハンガリー舞曲、第一番・ト短調と第三番・ヘ長調 まずは、作曲された当時の、ヨーロッパでのジプシー音楽の背景。もともとは、耳だけで伝承されていた音楽を、たくさんのひとに届けたい、という奥深い音楽家としての想いから、ブラームスが、ドイツ人ながらも作曲されたとの事でした。 そのため、めまぐるしく変化するジプシーの気性の激しさを意識して、表情づけする事。 音楽に大切な、Secondのハーモニーラインとなる左と、プリモの風のような下降形のメロディーの絡み合いがポイントであると教えてくださいました。

続いて、クロード・ドビュッシーの小組曲より、Minuet、バレエ、では、デュオ専門ならではの、アドバイスがありました。Secondの右手と、プリモの左手は、演奏中重なる場合は、オーケストラのスコアのように読んで、音のリレーができるように、メロディーをつなげる。それぞれのパートで、分担を工夫するという提案。そして、抑制された、限られた中で、緻密さを要求される印象派の音作りに、心がけましょうというお話もありました。

2曲とも、ダンスが基調で、Minuetの悲しいダンスから、バレエの楽しさが伝わるように。 リズムが支えになっていて、ピエという足の踊り・パスピエのように、足の動き、踊りをイメージすること。 偶然にも最近、この小組曲Minuetとバレエを、弦楽器バァジョンで聴いたのですが、同じ曲ながらも、ピアノデュオのアンサンブルとなると、ピアノならではの特徴が、発揮されて、音色の変化によるいろいろな表情が楽しめました。それに加えドゥオールさんのオリジナルなカラーもありで、ピアノが一台で、オーケストラが出来るといわれるごとく、表現の幅広い可能性を感じました。 さらに他の楽器と、コラボレーションすることによって、アンサンブルの魅力へと繋がり、芸術家としての耳も育ち、音楽が深まり楽しめるのではないかと思います。

そして、フレデリック・ショパンの変奏曲。ピアノの詩人、といわれたショパンが、若干16才の少年だった、まだパリを知らない頃、イタリアからアイルランドに伝わった民謡のモチーフをもとに、大切な祖国のために作曲された唯一の連弾曲であるので、ショパンの、ポーランド人としての誇りや夢が背景にあることが、バリエーション等から読み取ることが出来ました。
後半は、初級、中級の課題曲の演奏を交えて行われました。新しい連弾曲を、この機会に聴く事も出来、また、小曲もイメージを膨らませて追求して弾くと、勿論、プロの演奏家・ドゥオールさんだったからという事が大きいでしょうが、聴きごたえのある、生徒に弾かせてあげたい素敵な曲になることを、再認識しました。

4月の江崎先生の講座で、「アンサンブルは、音楽を通してひとを育てる、という言葉と繋がる、
今回の講座、ドゥオールさんの、音楽の世界を広げるためのアンサンブル。
お互い、より良い音楽を目指し、前向きなディスカッションが大切との事。
そのようなコミュニケーションが、ひとづくり、音作り、そして素敵な演奏に繋がるということでしょうか。

アンサンブルによって、確かに相手の呼吸を読み取り、お互いを尊重することによって音楽の可能性も深まり、より良い音楽を追求することができます。 そして、アンサンブルで学んだ表現が、ソロにもたくさん活かせますね。 これからは、「日本でもアンサンブルを広く楽しむべき!」という事でしょう! ドゥオールさんの演奏会が10月に、名古屋で行われます。今から、とても楽しみです!!

毎回、大勢の先生方の熱気あふれた状態で、いろいろな講座が企画されている、名古屋支部
4回シリーズセミナー。2011年度後期は、池川礼子先生のシリーズ講座あり、ベテラン
江崎光世先生、フレッシュな清水皇樹先生と、バラエティーに富み、幅広く学べるので、
講座好きにとっても、とても楽しみです!

(Rep:ピティナ名古屋支部  堀 美和子)

 

 

 


 



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