5年に一度のショパンコンクールを目前に控えた9月18日(土)、ショパンのスペシャリストとして仙台でも人気の下田幸二先生による講座が仙台戦災復興記念館にて行われました。
講座の内容は、ショパン生誕200年アニバーサリーの年に
ふさわしく 「ショパンへの導入と発展-ショパン練習法-」 。
ピアノを勉強する中で欠かすことのできない作曲家でありながら、耳なじみの良さだけでは解決できないショパンの難しさを、
♪どういういった曲から取り組むといいか
♪モデル奏者3名のミニレッスンを通して見るテクニックの磨き方
♪バラードやスケルツォのような大曲へのアプローチ
♪エチュードとのつきあい方といった観点で、バラエティにとんだ語彙でわかりやすく且つ軽妙にお話いただきました。
どの生徒にもやってくる"ショパンへの挑戦 第1弾"。
ショパンには子供向けの曲がないため、「ポロネーズ 遺作 B-dur/g-moll/As-dur」のような
初期の作品でも手の大きさやペダルの細かいコントロールが必要で、「マズルカ Op.7-1」
「カンタービレ」「ワルツ a-moll」などはそれに加えて左手の和音の難しさがあり、C-durの
エチュードが多いツェルニーなどに馴染んでいる生徒はショパンの調性も難しく感じられる...
などなど、ショパンのどの曲から入っても誰しも何らかの難しさにぶつかることは間違いないので、
まずは先生がキレイに弾いてあげることで生徒の中に憧れや意欲を持たせることが大切、
とのお話に大きく頷くと共に、指導する側のたゆまぬ鍛錬の必要性を改めて感じました。
モデル奏者の3名はそれぞれ「カンタービレ」「小犬のワルツ」「即興曲 第1番」を演奏。
★「カンタービレ」を演奏した生徒さんにはハーフペダルの練習やメロディーをムラなく弾く練習を、
★「小犬のワルツ」を演奏した生徒さんには曲内の2種類のトリルの入れ方や指使いや
ディナーミクの説明を、
★「即興曲 第1番」を演奏した生徒さんにはリズム変奏の必要性や中間部の左の動き方の
説明をしていただきました。
1名15?20分のミニレッスンながら、指導者の着目点や的確なアドバイスでここまで
演奏が変わるのか!と驚かされました。
密度の濃いお話はバラードやスケルツォ、様々な作曲家のエチュードへと広がりましたが、
如何せん2時間でショパンの作品を多角的にお話いただくには時間が足りず。
下田先生はショパンコンクール期間中ずっとポーランドに滞在されるとのことでしたので、
帰国後にコンクールよもやま話も盛り込んだ講座第2弾に期待してのお開きとなりました。
講座の後には、下田先生が長く指導している生徒さんで今回ショパンコンクールに参加される
野上真梨子さん(桐朋音大1年)の演奏会があり、ショパンコンクール1次予選・2次予選・
3次予選で演奏する曲を下田先生と野上さん自身のトークを交えて演奏してくださいました。
世界に羽ばたく道を切り拓いたその強靭なテクニックに感嘆!
2時間近く弾き続けても汗はおろか顔色一つかわらないその姿に更に感嘆!!
次は凱旋コンサートで来仙してくださることを信じて、まずはショパンコンクールの
朗報を待ってます♪
(Rep:ピティナ仙台中央支部 小田島 七重)