2008年4月29日 豊橋支部主催による 小野ひとみ先生の「音楽家ならだれでも知っておきたいからだのこと」と題した講座が豊橋市駅文化ホールリハーサル室で行われました。
前半は、アレクサンダー・テクニーク(創始者:F.M.アレクサンダー)とボディ・マッピング(ウィリアム・コナブル教授発見)との関連の話から始まりました。会場は、最初聞きなれない言葉や体の話で半信半疑で先生のお話に耳を傾けておりました。具体的には、自分の身体の構造や機能やサイズを正確に知り、それにそった動きをすることによって、自然な動き、流れが生まれてくるということ。そして体の芯(OA間接、脊髄、腰椎、股関節、膝関節、足関節(をバランス良くとることが大切だというお話をされました。
後半は3人のモデル(受講者)に実際のピアノの前の椅子に座っていただきました。そこでは、簡単なドミソの和音を弾き、ピアノに向かう自然な姿勢、そして椅子の座り方、音の出し方を学びました。その中で、先生の言われる「いつもの姿勢・いつもの弾き方」という言葉が印象的で、いかに私たちの行動が習慣化していて、行動する前に頭で考えることの大切さを、改めて考えさせられました。
そして3人のモデルの先生の質問に答えてくださいました。
1つは子供に体を脱力させるには、音を弾く前、弾いた後の身体の動きが大切で、身体全体で音を弾くことを、押し付けではなく、子供の動作の中で引き出すことが大事であること。
次に、昔に比べて現代の子供たちの、ものを考えずに行動したり・言ったりするのは、現在の教育が統一化され、先生や親から教え込まれている習慣であって、子供の心の中には必ず考えていることがあるので、これをレッスンの中でゆっくり引き出してやることが大切、という回答をしてくださいました。会場からの質問にも丁寧に答えてくださいました。とても中身の濃い2時間の講座でした。
さらに音楽家にとって必要な腕、足、呼吸についての具体的な講座を是非受けたいと思いました。
(Rep:豊橋支部 伊藤由紀子先生)