4月1日、豊橋支部主催による、角野美智子先生による2008年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲セミナ - がオリエント楽器ミュージックサロンに於いて行われました。A2級、A1級、B級、C級の全曲とD級の近・現代スタイルの解説と指導法を一曲一曲とても丁寧にお話していただきました。角野先生の情感あふれる素敵な演奏とお話に、会場に来られた先生方から春休みの小さな生徒さんまで、見入り聴き入っておられました。
お話いただいた内容から少しだけですが、ピックアップしてみます。
スタッカートでフレーズを感じて弾きたいとき、まずはレガートで方向性を感じ取ることが大切であること。また、8分音符を揃えて1フレーズで弾きたいとき、2音ずつ、3音ずつに区切り手首を柔らかくし、降りて上がる腕と音の動きを確認していくこと。そうすることで、無駄な動きのない、粒の揃ったフレーズ感ある弾き方になること。手首や腕の使い方の練習方法としては普段のリズム打ちから、腕の動きを使うようにし、脱力の状態を体で覚えるようにしていくことが効果的であることも教えていただきました。
2声の曲では特に和声の変化を感じるため、和音をつけて生徒さんと歌い、和音のイメージや役割を認識させていくことの重要性を知りました。生徒自身がこんな響きを創りたいとイメージするために必要なことだと感じました。
タランテラによく用いられるスキップのリズムでは、縄跳びやボールつきをイメージする等、ピアノを通してピアノ以外の体験を活かしたり、曲全体の情景や楽器編成をイメージすることが音楽に大きく反映してくることも再認識しました。他にも、強弱は打鍵のスピードからでき、ppを無音の練習から作り上げる方法や、持続音を最後までしっかり聴いたり、休符や音の動いていない空間の中に音楽を感じる方法などを分かりやすく説明してくださいました。
本当にたくさんのことをお話いただき、ここには書ききれませんが、今回のセミナーに参加して大変よかったと感じています。
最後にとても印象深かった言葉を・・・。"曲の解釈は一つではないので、サンプルをいっぱい用意して選ばせてあげること。自分の音楽を作れる生徒さんになってほしい。"
音楽を作り上げる楽しさを知ってもらえるよう私も努力していきたいと思いました。角野先生、本当にありがとうございました。またいろいろなお話を聞かせていただきたいです。
(Rep:豊橋支部/野々村樹乃先生)