第4回Miyoshiピアノ・メソード指導法講座は4月14日プチ・エルにおいて楠原祥子先生を講師に開催されました。
今回、Miyoshiピアノ・メソード7,8巻を中心に、より高度な音の世界へという事で、まず三善晃先生との「音の言葉」の一節を読まれました。
『「音の言葉」を自分で生み出し、自分の表現する世界を人々に聞いてもらうことができます。ピアノ演奏は「ピアノでお話しする」ことと同じです。「音の言葉」は世界中の民族が持っているたくさんの「音の言葉」の中のひとつ。大切なことはその「言葉」を話す時の<心>です。私たちがピアノを弾くときの<心>。それは世界中の人々に通ずる世界共通語です。』
そして又ショパン自身による「ショパンのピアノ奏法」スケッチから「音の定義」として - - - 音によって表現される芸術を音楽という。音によって思想を表現する芸術、音の組み立てによる芸術、音によって表現する思想、音による私たち人間の知覚の表現、音によって私たちの感情が表される、音は人間の定まらない言葉、定まらない言葉・・・それは音楽、言葉は音から生じた、音は言葉より前のもの、言葉、音のある種の変容、私たちは音で音楽を想像する・・・ちょうど言葉を用いて話をするように。 - - - も読まれ、大変興味深く感じました。
又それには
(1)徹底して楽譜を読むことの大切さ、を話されました。
全体像をとらえ、第1印象や曲の雰囲気、流れ、曲想の変化を知ること、次にフレーズに分けること、つまり終止やクライマックスを知ること、又、穴があく程見つめましょう。作曲家の意図を汲み取るためにどんな書き込みも見逃さない。そして体と五感で感じましょう。シンフォニックにビジュアルに気持ちを込めて細部まで丁寧なイメージングをすること、又自分の心を信頼しそのときの自分の気持ちや調の色彩感を大切にする。そして題名はイメージを喚起する手助けのみで頼らない等々。
(2)柔軟な思考、コンビネーション力の発展として客観性や対応できる技術、又暴走せず崩壊せず、制御しながら前進する演奏力を身につけること。
(3)暗譜力を伸ばす力として楽譜を記憶すること+(プラス)再現演奏では聴いて認識する力と実際演奏する力は別の能力である。
暗譜の4大プロセスとして - 視覚による暗譜 - 聴覚による暗譜 - 神経、筋肉による肉体の運動感覚による暗譜 - 分析による暗譜、和声構造、転調のプロセス等々。
(4)ペタリングとして、とらえる、のばす、まぜる、つなげる。耳でよくきいて。・節約ペダル→徹底して指でレガート奏 ・多用ペダル→ペダルを隙間なく使って響きを豊かにする。
等の説明を楠原先生のピアノ演奏を交えて充実した講座でした。筆者もデュオでお手伝いいたしました。上級を目指して指導していく上で大切なポイントの数々をピアニストの目からたくさんお話していただけました。
(Rep:/大阪城ステーション中田元子先生)