第3回 Miyoshiピアノ・メソード講座「音楽的に演奏するために」と題して3月18日プチ・エルに於いて杉浦日出夫先生のセミナーが催されました。
先生は第1回の復習として重力奏法や脱力の事を実際にピアノを弾かれながら説明されました。又こういう奏法はかつてハイフィンガー奏法で手をこわした人達が出たので自然に重心をかけて弾く奏法が生まれてきた事を大変興味深く話されました。そして三善先生が日本人の小さな細い体でよい響きの音を出すにははじめの導入から自然な重力奏法をする必要があると考えられこのメソードが生まれました。このように1巻から8巻まで導入から組み立てられ体系づけられたメソードは世界で初めてだという事です。杉浦先生御自身が考えられた腕の重力がかかっているかを確かめる体操やコルトーの体操等もやってみせて下さいました。又「仔鯨の夢」をつかって半円形のフレーズや1/4円形フレーズの説明も大変興味深いものでした。「レの交差点」の中では符点音符は不定音符であるという御説明にうなずいてしまいました。色々なフレーズの表題をベートーヴェンのコンチェルトの中からとり出して説明されました。次に音程や音の方向から音楽をさぐると題して上行進行は明るい、喜び、勢い、動で上行は少しクレッシェンドである。下行進行は暗い、悲しみ、さみしさ、静で少しディクレッシェンドする。2度音程の下降は悲しみや涙(マンハイムのため息)3度音程の上行は喜び、叫び(マンハイムの花火)4度音程の上行、下降はやさしさ、なつかしさ、思い出 5度音程の下降、5音の下降は悲しみ、さみしさ、6度音程の上行はあこがれ、やさしさ、思い出、7度音程は苦しみ、恐ろしい、半音階は不安、孤独、隠し味、8度音程の上行は飛び切り元気、8度音程の下降はサンクトゥス......等大変興味深いお話をMiyoshiメソードの曲中の中からを中心に弾きながら説明されました。次回は4月14日に楠原祥子先生で「三善晃、その響きの森へ奥深く」と題して7,8巻をいたします。
(Rep:大阪城ステーション/中田元子先生)