【実施レポ】 - 本当はおもしろく、弾いてみたくなるソナチネ - 「生き生きと」ってどうするの? - 2/22仙台・今井顕先生

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2008/02/23

blog_080222senndai.jpg2月22(金)カワイミュージックショップ仙台4階ホールにて、今井顕先生をお迎えして、今井先生ご自身が原曲資料に基づいて編集し直された「ソナチネアルバム」校訂版を使用してのセミナーが行われました。≪なくて七癖、ピアニスト≫「生き生きと」とはどうするのかを、模範演奏の中、大変判りやすく、ご説明下さいました。

今まで使ってきた従来のソナチネに、いつの時代からか急に付いていたスラーや、逆にスラーがあっても無くても間違いではない。古典派は(古典派のルールの中で)自由である。
これには、受講者のみなさんがうなずいておられました。
従来のソナチネに過筆されたスラーは、単にレガートで弾きましょうという安易な指示である中、私達指導者は、それが本当なのかどうか曖昧なまま生徒に押し付けていたのかもしれません。
又、ロマン派のスラーは、古典派のスラーとは違って"ひとかたまり"という意味で、人間の言葉と同じで、スラーの最後にアクセントを付けないなど自然に感じられるようになりたい。
と歴史を通して、時代の違いを細かく、時にはユニークな解釈でお話を下さいました。
一番時間をかけてご説明下さったのは、ソナチネの問題点です。その中でもアウフタクトについては、ベートーヴェンの歌曲「Ich Lieve Dich」の冒頭を使って、レガートにしたくなるような音列も、言語との関連をふまえると、アウフタクトの処理法には様々な可能性があることを、歌でご説明下さいました。
さて、ある程度弾けるようになった初級の段階で、長い曲(ソナチネ)を、基本的な構造や強弱、アーティキュレーション、脈動感を連携して覚えるために使用している先生が多いと思いますが、生徒みんなが同じように演奏していたのではないでしょうか?
今井先生は、生徒自身が「こっちの演奏の方がいい!」と言えるよう、耳から自分で考える力を作る。兄弟が弾けば、二人共違った弾き方があっても良い。とのこと。
生徒の自立の助けと、小さいうちから生徒一人ひとりの個性を伸ばしてあげることが大事であることを、強く感じさせられた二時間でした。
今後も、今井先生続編として、ソナタを使用しての、古典派とロマン派の違いなどを企画していただけることを期待して、受講生一同お待ちしております。
(Rep:高橋幸子先生)


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