【実施レポ】きれいに弾きましょう、エチュード - 四つの時代のスタイルを考えて - 11/5京都・西谷玲子先生

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2007/12/07

blog_071105daigo.jpgきれいに弾きましょう、エチュード
- 四つの時代のスタイルを考えて -  西谷玲子先生指導法講座・・・醍醐サウンドワークステーション

11月5日(月)京都駅前のメルパルクKYOTOにて、西谷玲子先生をお招きしての講座は、先生の澄みきったとてもきれいな1曲の演奏から始まりました。受講生46名はうっとりと、聞き惚れていました。演奏が終わり、実はツェルニーの練習曲の中の1曲だということを伺い、驚きを隠せませんでした。思えば、昔から私たちは、音楽的でない弾き方や機械的な弾き方をした時にエチュードみたいな弾き方をしないで!とかツェルニーみたいな弾き方をしないで!とか言ってきた事を指摘され、ただ指の鍛錬とだけ捉えずに音楽的な意味でのトレーニングと捉えてみると考え方が変わるということに気付かされ、先程の先生の演奏になるほどと納得させられました。
 それでは、ツェルニーは一体どの時代の作曲家でしょう?という質問に、受講生は首をかしげながら、それぞれ思った時代に手をあげました。こんなに身近で、ピアノを学んだ人間なら誰一人として知らない人はいないはずの作曲家なのに、その人の生まれた時代やなぜこのような膨大なエチュードができたのか全然知らないどころか考えたこともないことに、気づかされました。ではなぜこの時代にこのようなエチュードが求められたのでしょう?時代をもどって考えてみましょう、ということになりました。
 バロック時代では、クラビコードとリュートチェンバロの貴重なCDを聞かせて頂き、その音色のとても繊細な音のニュアンスに触れることができました。「奏法もアーティキュレーションも購入した楽譜をそのまま信じて、なんの疑問も持たずに、演奏をしたり生徒たちに指導したりするのではなく、原典版を使ってそこから読み取る勉強をしましょう。インベンションのような楽譜のシンプルなもので、初めからもう一度勉強をやり直すと土台が見えてくるので、基本が見えれば上にのせるものはちゃんと見えてきます。」という先生のお言葉に感銘を受けました。
 古典派・ロマン派・近現代と話が進むにつれて各時代に求められたエチュードのあり方、時代背景が密接にからんでいることがよくわかりました。ヘラーやコンコーネ、グルリットなどとてもきれいなエチュードの数々も披露して下さいました。そして、まずは私たち指導者が、弾きましょう。そして生徒が音をとらえられるようにゆっくりでもすてきな音で弾いてあげることが子どもたちにとって一番の教材になるというお話がとても心に残りました。
 また、最後にアンサンブルをレッスンに取り入れる大切さ、自分が弾いている音と調和した音が流れてくる楽しさについて語ってくださいました。小さいときにピアノというのは一人でも弾けるけれども、いろんな人と一緒に弾けるピアノはもっと素敵!そういう感覚を体験している子どもたちは、その時のとても嬉しくてわくわくした気持ちを忘れずに続けられる。そして管楽器、弦楽器いろんなものを一緒に演奏することにより音楽に息を吹き込むための呼吸が生まれてくるとのお話にとても共感を感じました。
 たいへん貴重なお話をたくさん頂き、とても楽しくあっという間の2時間でした。本当にありがとうございました。
(Report:醍醐サウンドワークステーション/田邨尚子先生)


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