2007年10月29日(月)、ハーモニーホールふくいにおいて、本多昌子先生の「ピアノ指導に役立つ音楽形式の徹底研究」の講座が開催されました。ピティナ・ピアノステップの課題曲から、バロック・古典・ロマン・近現代の曲を取り上げ、音楽的表現やテクニック、4期の弾き方の相違などを、演奏とお話で解説していただきました。
まず、バロック期の舞踊の4つの柱である、アルマンド・クーラント・サラバンド・ジーグの曲想や弾き方の違いから始まり、その時代のクラヴィーアでは、装飾音符をつけたり音符の上行と下行で強弱を表したこと、古典期のピアノフォルテでは、鍵盤の高さが今のピアノより3mm浅かったので、モーツァルトの16分音符を弾く場合は指を立てて軽やかに弾くとよいなど、鍵盤楽器の改良に伴っての奏法の変化は、納得できる、とても興味深い話でした。
作曲家のエピソードについても、話が広がり、ベートーヴェンには、自分の音楽をより良く表現したいためにピアノフォルテを3回改良させ、今日のピアノがあるのはベートーヴェンのおかげであること、またシューマンの曲には、彼の持つ静と動の性格がよく表されているという話も面白かったです。
また、ピアノのテクニックについても、親指の運動が大切であること、ペダルに置く足の位置のこと、各期における3指の形の違いなど、とても参考になりました。
前日にはアドバイザーとトークコンサートをしていただき、その流れからの今回の講座は、大変分かり易く盛りだくさんの内容で、あっという間の2時間でした。先生のすばらしい演奏と、豊富な知識による作曲家のエピソードや時代背景など、是非またお聞きしたいな、と思いました。
(Rep:鯖江ステーション/北川純子先生)