2007年10月23日(火)アオノホールに於いて「作曲家による弾き分けと基礎テクニックの応用」と題して、林苑子先生によるセミナーが開催されました。
21日の伊予ステップ、22日の学校クラスコンサートに引き続きの講座で、林先生も体調が良くないにも拘らず終始笑顔で、演奏を交えながらお話して下さいました。
大作曲家の曲を弾くためにはやはり基礎テクニックが必要で、そのためには、どういうエチュードを使いどのような練習をすればよいかという具体的なお話でした。
前置きとして、まずピアノという楽器の変遷についてお話があり、クリストフォリのピアノ発明からpfと呼ばれるようになり、やがてはfpに移っていく中で、楽器の発達により演奏法も変わっていったというお話。ツェルニーなどは、鍵盤が浅く軽かったからテンポも速く弾けた。今のピアノで指示どおりのテンポで弾くのはなかなか難しい...。ということには、私も納得でした。
次に、バロックから初期ロマン派に至る作曲法も多声音楽から和声音楽へと移り変わり、それに伴いピアノ奏法もだんだん変わっていったというお話の後、一番のテーマである初期ロマン派の曲を弾くために必要なテクニックのお話へと進みました。
ロマン派というと、子ども達はいきなりショパンやシューベルト等を弾きたがりますが、その前に、初期ロマン派の曲でしっかりレガート奏法を身に付けなければならない。そのためには、バーナムピアノテクニックやピアノの練習ABCでロマン派を弾くための練習をすると効果的だということで、何曲か抜粋して実際の奏法の具体例、例えば指のどの部分で弾くかということや、手や手首の使い方などを演奏を交えながら説明していただきました。そして、その応用として、シューマンの「子供のためのアルバム」の中から、子どもたちが弾いたらいいお薦め曲を、基礎テクニックの応用を視野に入れて数曲解説してくださいました。
最後にジャーナリストでもあったシューマンの言葉を紹介してくださいましたが、"聴く耳を作り上げることが一番大切""つまらなそうに弾かず、いつも新しい気持ちで弾きなさい"という言葉が印象的でした。基礎テクニックの積み重ねの大切さを再認識させてくれた有意義な講座でした。
(Rep:伊予しおさいST/荒木恵子先生)
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