2007年10月5日(金)ヤマハミュージック所沢店に於いて武田真理先生の「バッハ インヴェンション講座~バッハを通して考えるバロック音楽の精神~」の講座が開催されました。
この講座は2回シリーズで行われ、1回目の今日は「バッハの生涯を中心に演奏・指導ポイント」について解説して頂きました。
バッハの生涯は、ドイツの町を転々と移動しリューネベルクではフランス音楽、ヴァイマールではイタリア音楽に触れ、そうした様々な地に行っては当時最も新しい様式を多く取り入れ、そこにバッハ独特な感性・宗教的な思想も加わりバロック音楽と創り上げたという事を詳しくお話をして頂きました。
その中でも、ブクステフーデの即興的な作風に感銘したバッハは不協和音を使った斬新な曲を作ったという事や普通の賛美歌をも自由に変えて演奏してしまい怒られた...など面白いエピソードも披露して下さいました。
バッハの曲を指導する上で原点版では指示が一切無く、校訂版では色々な解釈があり奏法で迷うことが多々ありましたが、版の問題点や演奏法、指導する曲順、また装飾音の弾き方は、年齢に応じて自由に柔軟性を持って対応して良いと言う事などお話して頂きとても参考になりました。
そして背景や知識を踏まえた上でその調の持つ雰囲気・音価・拍子・伝統的な奏法も考え自らバッハの音楽を作りあげなければいけない...というお話に私自身まだまだ勉強が足りないと痛感いたしました。
インヴェンション1番では1つのテーマをいかに発展・展開していくのか、演奏する上でのカンタービレ奏法にも触れ、テーマの変化も多用に弾き分けて実演して下さりとても分かりやすく勉強になりました。
次回の講座では「インヴェンション15曲それぞれの演奏・指導ポイント」をレクチャーしてくださるということで、武田先生の分析を学べるのが今からとても楽しみです!
(Rep: 門田 真美子先生)