5月8日(火)サンリツ仙台本店に於いて、江崎光世先生の「年齢と個性に応じた基礎指導とは」の講座が開催されました。ピアノ指導歴48年の先生のお話は、一言一言に重みがあり、心に染み入るものでした。
ピアノの「基礎指導」は、発達段階によって、学習・指導内容を変化して導く「敵期教育」が大切であること。また、子供の素質は最初にすべて出てくる訳ではなく、早咲きの子もいれば、遅咲きの子もいるので、指導者が見極めることが必要であること。それに伴い、指導者は医者、易者、保護者、学者、役者と、いろいろな顔をもつべき、とのお話がありました。
また、子供が大人になったとき、自立して、自ら進んで音楽を求めることができるようにすることが大切であること。それには、まず型に入れて、さらに型から出ることが必要であると話されました。教え込んで型にはめることは容易だが、指導者から離れた時に自立できる力=「型から出る力」を育てることは難しいそうです。
さらに子供を自立させるための基礎力の付け方を、先生の指導実践から学びました。先生のピアノレッスンは、ソルフェージュ力の養成、グレード・コンクールの利用、連弾の活用、勉強会、鑑賞(1,800枚あるCDは貸し出し自由)、母の会と体系づけられています。また先生は、こまめに子供の演奏をビデオに残しておられ、たくさんのビデオを見せてくださいました。ビデオは子供の努力の証になり、練習の動機づけにもなるそうです。
ビデオに収められた生徒さんの演奏は、皆生き生きと楽しそうで、表情豊かなものばかり。先生の長年の指導の賜物であると思いました。あっという間の2時間、大変充実した時間を過ごすことができました。 (Report: 澤口 万里)