2007年3月5日(月)福岡県久留米市の木下楽器店L3ルームにて、渡辺康一郎先生の「楽しくピアノを弾くための年齢・個性に応じたレッスン法」についての講座が開催されました。
講座では実際に渡辺先生が教えている生徒さんの演奏のVTRを見ながらの解説で、各年齢に応じた課題の違いがとても分かりやすいものでした。
多くの先生方がそうであると思うのですが、「自分が習ってきたことを子供に伝える」のではなく、子供一人一人に応じたレッスンをしなければ個人レッスンの意味が無い、という先生のお話はとても興味深いお話でした。
その中でも特に講師と生徒の心理の違いについて、シャープ・フラット・手の形や間違いなど直したいと思っても子供はそういう事を言われるのが嫌なもので、講師は「注意したくてもしない勇気が必要」というお話は本当に目からうろこでした。
実際VTRの映像で見る生徒さんたちは物凄く間違っていて、普通なら曲にならずに止まってしまうであろう所をとても楽しそうに生き生きと弾き続けているものでした。また、一人の生徒さんのこなしている曲の数がとても多く、幼稚園のお子さんでも1回の弾き合いで5~6曲こなしていて、年齢が上がるにつれてそれがレパートリーとして増えていく喜びというものも語ってくださいました。
逆に、エチュード等を導入するのは中・高生以上になって曲の難易度にしたがって必要になった時に数曲取り入れるという感じで、それまではあくまで本人が楽しく毎日ピアノに触るという習慣の方が大切とのことでした。
今回の渡辺先生のお話をレッスンに導入するのにはまだまだ私自身研究が必要ですが、視野の広いお話が聞けた事で、自分が習ってきた道筋以外の方法もあることに気づき、より自由に発想の幅を広げた指導が出来るようになれればと思いました。 (Report:久留米ステーション 船津宜之)