1月22日月曜日、神戸ヤマハミュージック神戸店にて、日比谷友妃子先生の「心に届く、美しく、表情豊かな響きを求めて」の講座が開催されました。日比谷先生は、毎年国内外のコンクールで多数の受賞者を輩出されるだけでなく、受験指導の面でも毎年、芸大、芸校合格者を輩出される実績をお持ちでいらっしゃるので、神戸の会員達からも切望の末実現した講座でした。実際、和歌山県から電車で4時間かけて来てくださった方もいらっしゃいましたが、その時間をかけてもたくさん得るものがある講座で、早速レッスンに活用したいとアンケートにもありました。
講座では、まずレッスン冒頭で弾くであろうハノンの取り組み方に皆がカルチャーショックを受けました。ハノン流指の体操、訓練と考えていた私たちに、細やかなテクニックを指導するとともに、それ以上に美しいメロディーとしてとらえ、「美しい響きを求め演奏する」教材であるとのお言葉と先生の演奏に、会場から驚きの大きなため息がもれました。
続くツェルニー練習曲においても同じで、メカニックのみで弾くのではなく、和声の進行等、理論的な事を踏まえた上で、いかに曲奏をつければよいか、またバランスをとるためにはどうすれば良いかなどなど、本当に細やかな指示の元進められるレッスンに、憧れを抱きつつ聞き入りました。
日比谷先生の手にかかれば、ハノンやツェルニー教本も、メカニック強化の為の教本ではなくなり、もはやロマン派の曲集かと思わせる程、美しく調和の取れた曲に変身させられるのです。私達のハノンやエチュードやバッハはおもしろくないという固定観念は、教える側の私たちが、それぞれの本の魅力を充分に引き出すことが出来ていないからだということを痛感させられ、大きく反省しました。先生のお話は、どの一つをとっても大変興味深いもので、二時間の講座があっという間に感じる程でした。講座終了後も先生への質問は後をたたず、出席した皆が、「是非第2弾を!」と口々に解散した一日でした。日比谷先生、本当に素晴らしい講座をありがとうございました! (Report: 岡田裕子)