2007年1月12日(金)、福島バスティン研究会研究講座の一環として、國谷先生の「4期別指導の徹底研究」の第3回、ロマン期・シューマンについての講座が開催されました。
講座の題材となった、「子供のためのアルバム」「子供のための3つのソナタ」はシューマンが残した素晴らしい芸術ですが、普段のレパートリーとして活用するには簡単にはいかないところがあります。講座では、シューマン独自の書法を探り、日頃のレッスンでの活用法を考えました。
今までなぜかシューマンの曲に触れる機会はあまりなく、コンクールの課題曲ぐらいでした。今回はロマン期を初期・中期・後期と分けて考え、1809年生まれのメンデルスゾーンと1810年生まれのショパンの間にピアノ的書法の壁があることを知りました。そのため、初期と中期ではピアノの指導上の違いもあり、指の形も違ってくることを、國谷先生はピアノを弾きながら説明してくださいました。又、ロマン初期の作曲家の曲では、経過音が多いためペダルを踏むとにごりやすく、気を使って弾かねばならない反面、ショパンの曲は変位音が多いので、ペダルを踏んでもあまりにごらないということも知りました。
初期ロマン派のウェーバー、シューベルト、メンデルスゾーン、中・後期のショパン、シューマン、リスト、ブラームス、チャイコフスキー、グリーグの音とペダルの関係が理解出来たことは、今後のレッスンにとても生かせると思います。演奏する上でシューマンはとても弾きづらいと思っていましたが、とても分かりやすく指導の方法を教えていただき、同時に音楽史も学ぶことが出来た、盛りだくさんの講座でした。今後シューマンを積極的に弾くきっかけにもなったと思います。(Report:福島バスティン研究会研究講座・田中順子)