2006年11月17日(金)、ピアノハープ社にて多喜靖美先生をお招きし、「飽きさせない!技術が楽しく身に付くアンサンブル指導法」Part.2の講座が開催されました。昨年に引き続き2回目の講座で、アンサンブルをする理由とその魅力から始まり、ピアノの構造上の特性など、日頃忘れがちなことを大変興味深くお話くださり、改めてピアノの素晴らしさを痛感しました。
まずは『ピアノをよく知ろう』ということで、ピアノについてのお話から始まりました。長所としては、音域が広く、いくつもの音が同時に出せ(これは短所にもなります)、その気になれば何時間でも弾き続けることができること。短所としては、1つの音のクレッシェンド・ディクレッシェンドができない、ブレスがないと継ぎ目のない音楽になりやすい、自然な歌い方ができにくい、音質の違いがあるのだがわかりにくい...等々、こういった点にアプローチして、ソロに役立てることの大切さをお話くださいました。
次に、『アンサンブルをすることの利点』を知るための、他楽器の説明に続きました。例えば、弦楽器はとてもわかりやすいつくりで、ビブラート・弓の返し等から、フレーズの始まりや終わりを感じ取りやすいこと。管楽器はブレスがわかりやすいので、合わせることで、適切な呼吸やテンポ感が身につく上に、音色の作り方の幅が広がり、和音のバランスもよくなること。そして、ピアノと弦楽器はどちらも木でできているため、響かせようと常に思い、自分で音をよくきいて、脱力する方向へもっていくことが大切なこと等々、色々な例を挙げてくださいました。
更に、実際にヴァイオリン、チェロとのアンサンブルを通して、ソロで演奏した時との曲の表現の違いを、比較して説明され、鍵盤ハーモニカの演奏を通して、音楽の世界の楽しみ方を紹介していただきました。
最後は、大学卒業後の発表会で、ヴァイオリンの伴奏を体験させた生徒さんについてのお話で講座は終了しました。その生徒さんの、その後の音楽との関わりや活躍についてお聞きして、アンサンブルの体験がいかに音楽の世界を豊かにし、楽しませてくれるかを、指導者が十分に理解し、伝えて行くことの大切さを感じました。今後のレッスンや発表会で、是非アンサンブルで取り入れて行きたいと思っております。Part.3を楽しみに待っております。 (Report: ピティナ熊本支部 会報委員 岩岡 ゆり)